アレルギー外来ニュース 平成19年8-12月号

第85号 平成19年8-12月号

 今年の秋は例年以上に寒暖の差が激しいためか、喘息発作で救急外来を受診したり、入院されるケースが多いようです。このように不調になる人達の多くは、初めての喘息発作を起こした人や日頃の管理が不十分な人のようです。この秋不調だというあなた! 日頃の服薬とか環境整備をもう一度チェックし直したほうが良いですよ。さて、今回も「ロイコトリエン」というあまり聞き慣れない名前の物質についてです。

今月の話題「小さいお子さん向け、1日1回内服の喘息長期管理薬が出ました」

  前号で解説しましたように、繰り返す喘息発作で「ただれた(炎症を起こしている状態)」気管支のキズを修復するのには、ロイコトリエンやサイトカインという体内で産生される悪い物質を退治する必要があります( 第84号)。これにはいくつかの薬物がありますが( 第82号)、ロイコトリエンに対する薬(抗LT薬)のひとつとして乳幼児用に新たに開発されたのが「シングレア細粒」です(他社から「キプレス」という名前で同一品が販売されています)。上の写真のように、1回分が包装され、味や舌触りも飲みやすいものになっています。ただし、光に当たるとすぐに効力が落ちてしまうので、封を切ったら早めに(会社からの説明では15分以内とのことです)服用して下さい。また、喘息が悪化しやすい朝方にもっとも効果が出やすくするには夜に内服するのが良いと思われますが、毎日服用し続けることが大切ですから、それぞれのご家庭のライフスタイルに合わせてお決め下さい。また、この薬は抗LT薬のひとつですから、軽症の乳幼児では単独で、またより重症例では吸入ステロイドとの併用という形で用いられます( 第82号)。
 ところで、この薬は乳幼児であれば体重に関係なく1日1回1包(4mg)です。この薬の兄貴分である「シングレア・チュアブル錠(5mg)」(下の写真)」も、小中学生であれば体重に関係なく1日1錠です。今までの子ども用の薬の多くは体重に合わせた量を計算してから処方するのですが、この薬ではその必要がありません。これは、大人が風邪薬を飲む時に、体重40kgでも80kgでも同じ分量を服用するのと似ていますね。


いろいろな剤型・飲ませ方


  最近次々に発売される薬剤には、今までに無い剤型や飲ませ方のものが増えています。例えば、今回の「シングレア」も1日1回で、さらに投与量を細かく規定する必要がありません。また、噛んで飲む「チュアブル錠」や、舌の上で即座に解けてしまう「OD(口腔内崩壊)錠」などがあります。お薬をもらう際には、薬剤師さんの説明をよく聞いておいてください。
【編集後記】最近の薬剤開発では、効果や副作用ばかりでなく、服薬しやすさにも力が注がれているようです。(夕)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 07.09.06
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