アレルギー外来ニュース 平成20年1−2月号

第86号 平成20年1−2月号

 地球温暖化の影響かあまり雪の多くない冬が続いています。と言っても、冬はやはり寒くて今年もインフルエンザやRSウイルス感染症が流行しています。これらのウイルスは喘息発作を誘発しますので要注意です。
今回は、気道炎症の程度を反映するとされる「一酸化窒素」についてです。

今月の話題「一酸化窒素って何?」

 喘息を治療していくうえで気をつけるべきことは、「今の治療でどの程度うまくコントロールできているか」をきちんと評価して、治療レベルを調節することです。そのために、自宅でぜんそく日誌(第43号)をつけてもらったり、外来で質問票に答えて頂いています。さらに、ピークフロー(第44号 第51号)を自宅で毎日測ってもらったり、外来で少し大掛かりな肺機能(第33号)を測定しています(上の表)。
 しかし、喘息における症状が出るまでの流れで考えると、症状や肺機能は下の方に位置しており、本来は「気管支におけるアレルギー炎症」の程度を評価したほうがより正確になる訳です(下の表)。
 では、なぜそのような検査をしていないかというと、炎症の程度を知るためには、生検と言って気管支ファイバーで直接肺の一部を採って来て調べる方法がありますが、小児には侵襲が大きすぎます。また、痰の中の好酸球やサイトカインというものの濃度を調べる方法もありますが、発作でない時に痰を採るのは結構難しいものです。
 そこで、最近注目されているのが「呼気中一酸化窒素」です。一酸化窒素は、アレルギー炎症を起こしている(簡単に言うと粘膜がただれている状態)気管支から出て来て、呼気(吐く息)の中に高濃度で含まれています。そして、この濃度がきちんと正常範囲にまで低下するように吸入ステロイドの投与量を調節した方が、喘息のコントロールがうまくいくということも明らかになってきています。ただ、測定には専用の機器と呼気を集めるためのちょっとしたコツがいるのですが、肺機能と同様に子どもに害を与えずに繰り返し行える検査ですので、今後の普及が期待されている検査です。

富山県の今年のスギ花粉飛散は平年並み


 関東などでは今年の飛散量は多くなるとも報じられていますが、富山県林業試験場(HP)からの発表では、富山県は平年並みとのことです(下記HP)。それでも、昨年の春に結構辛い思いをされた方は医師にご相談下さい。
【編集後記】冬から春、半年ちかくもマスクが必要というのも苦しいですね(由)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 08.01.30
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