アレルギー外来ニュース 平成20年11月号

第92号 平成20年11月号

 秋もだいぶ深まってきました。秋と言えば、「スポーツの秋」、「芸術の秋」、「読書の秋」と、いろいろな活動を楽しむことができる季節ですが、喘息を持っている方にとっては最も心配な季節でもあります。今年の秋はいかがでしょうか?
 今回は、吸入の時に用いることのある「スペーサー」についてです。

今月の話題「スペーサーって、何?」

 吸入は、気管支喘息の治療に欠かせない投薬方法のひとつですが、内服に比べて、そのやり方によって肺の中に到達する薬剤の量が大きく異なることが知られています。一方、吸入器は、その駆動方法によって大きく3つに分類されます:
1:ポンプで圧縮した空気を利用して薬液を噴霧する「ネブライザー」と、
2:携帯型の吸入器として粉を直接吸う「ドライパウダー定量吸入器(DPI)」と、
3:ガスを利用して噴霧する「加圧式定量噴霧器(pMDI)」。
 ネブライザータイプは、赤ちゃんからお年寄りまで使えますが、機器が高価であることや吸入に時間がかかるという不利な面もあります。また、ドライパウダー式は、力強く薬剤を吸入する必要があるために、小学生以上が対象となります。一方、ガスを用いたpMDIは、噴霧された薬剤をまず「スペーサー」の中に貯めておいて、それからゆっくり吸うという方法を用いれば、全ての年齢で使えます。
 「スペーサー」には種々のタイプがあり、我が国では、製薬会社が無償で提供してくれたものを用いてきました。しかし、欧米で幅広く用いられている市販の「スペーサー」(写真は、その例)の方が、次々に改良が加えられて、より使いやすくなってきています。さらに、以前は高額であったこれらの「スペーサー」も、最近ではだいぶ安くなってお手頃価格になってきました。そこで、今後は、少しお金がかかりますが、このようなより良いスペーサーを用いて吸入することをお勧めすることとしました。それによって、より効率の良い吸入療法が行われ、より良い喘息コントロールが得られることが期待されます。

新しい「スペーサー」の種類

 世界中で一番使われている「エアロチャンバー(アムコ社)」には、マスク付きとマウスピース付きの二通りがあり、マスク付きは、そのサイズによって3通りのものがあります。年齢や顔の大きさによって、一番フィットしたものを選ぶ事が大切です。
【編集後記】 最近のスペーサーは、小さくて丈夫な作りになっています。(有)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 08.10.17
maintained by Yuichi Adachi