アレルギー外来ニュース 平成21年1、2、3月号

第94号 平成21年1,2,3月号

 暖冬が終わって一気に春かと思いきや、花冷えの毎日が続いています。これの不安定な天候も地球温暖化の影響なのでしょうか。そして、このアレルギー外来ニュースも、天候同様に発刊が不安定となってしまいました。さて今回は、昨年12月に改訂された「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2008」についての解説です。

今月の話題「新しい喘息の治療目標」

 喘息やアトピー性皮膚炎などの慢性の病気では、治療が長期にわたるために、段々と服薬や環境整備が疎かになることが多いと思います。そこで、治療のゴールをはっきりさせることで、患者さんや保護者の方は日々の治療や環境整備に努めることができ、一方で主治医は現在の治療が充分な効果を発揮しているのかどうかをきちんと再評価する事が期待されます(第70号)。
 今回改訂されたガイドラインの治療目標には、新たに「気道過敏性が改善」ということが示されました。「気道過敏性」とは難しい言葉ですが、簡単に言うと「気管支の弱さ」を表します。図に示しましたように、運動したり大はしゃぎした時や、急に冷たい空気を吸った時にゼーゼーしてきたことはありませんか? また、ワンワンと大泣きしたり、キャッキャッと大笑いした時に咳が止まらなくなったりしたことがありませんか? さらに、タバコや花火の煙を吸ったりした時にも同様の症状がでたことがありませんか? これらは皆、気管支が弱い(「気道過敏性が亢進している」と言います)ために起るのです。
 「最近、ひどい発作がなくなって良かった」というお母さんの声を時々聞きますが、そこで満足してはダメです。図のような症状もなくなることを目指して、きちんと治療や環境整備を続けていきましょう。

アトピーには外用薬はしっかりと!

 「薬はちゃんと塗っているけど、なかなか良くならないんです!」と相談されることがしばしばあります。しかし、よくお話を伺ってみると、塗っている量が足りないケースがあります。塗る量が少ないために効果が不十分となり、かえっていつまでも良くならず、むしろ段々と皮膚炎が増悪していくことがあります。以前から言われていますが(第72号)、「大人の手のひら2枚分の面積の皮膚には1FTU(チューブの薬なら、大人の人差し指の指先から最初の関節まで)で表される量」が適正量です。」この1FTUは約0.5gですから、5g入りのチューブだと20回分(朝晩塗れば10日分)ということになります。多すぎると思われるかもしれませんが、皮膚が良くなればその分早く弱い薬にかえる事ができるのです。
【編集後記】週末の高速道路はどこまで走ってもたったの千円となりましたが、交通量が増える事による「エコ」への影響は気にしなくていいのでしょうか?(憂)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 09.03.13
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