アレルギー外来ニュース 平成22年4-5月号

第99号 平成22年4-5月号

 ようやく春が訪れて穏やかな日々になってきましたが、それでも春は寒暖の差が大きく体調を崩しやすい季節です。お子さんの喘息や花粉症の具合はいかがでしょうか? 今回は、保育所や学校で問題となってきている「食物アレルギー」についてです。

今月のテーマ「血液検査が陽性の食物は、絶対に食べないで下さい???」

 食物アレルギーを持つ子どもの数は増加傾向にあります。そのために、いろいろな施設で皮膚テスト(プリックテストなど)や血液検査が行われ、その結果を参考に陽性の食べ物の摂取を禁止、あるいは制限するという方法がとられています。
 確かに、食物アレルギーの症状としては、単にじんま疹が出るだけではなく、アナフィラキシーと呼ばれる強い症状が出現することもあります(第79号参照)。そのため、疑わしい食べ物は摂らないようにすることが大切であることは間違いありません。しかし、最近の傾向として、血液検査で複数の食べ物に対して陽性を示す子どもの数が増えてきており、単に「疑わしい」という理由だけで種々の食べ物の摂取を制限すると、子どもたちの日常生活に大きな影響を与えることになります。現在、最もよく用いられる検査法は、特異的IgE抗体検査(RAST法)です。この検査では、一般的には0.70以上を陽性としますが、この基準だけで食物制限をすると多くの食品が摂れなくなります。そこで、最近では表に示しますように、年齢や食べ物の調理方法によって基準値を見直そうという動きが出てきています。例えば、3歳の子どもさんで卵白のRAST値が50であれば「まだ卵を食べると症状が出る可能性が高い」と考えられますが、もしRAST値が20であれば「食べられるようになった可能性がある」とも考えられるわけです。しかし、これらの数字はあくまでも目安ですので、これ以下であれば大丈夫ということではありません。必ず主治医と相談の上で、食べられるかどうかをお決め下さい。

大きくなっても食べられないお子さんに

 食物除去だけが唯一の対処方法であった食物アレルギーにおいて、最近「経口免疫療法」という方法が広まりつつあり、その効果が期待されています(第97号)。
【編集後記】 どうして食物アレルギーの子どもが増えてきているのか、現段階はわからないようです。(You)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 10.05.07
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