アレルギー外来ニュース 平成22年9-10月号

第100号 平成22年9-10月号

 心地よい春が過ぎて暑い夏を迎え、大人たちには過ごしにくい時期になりましたが、子どもたちにとっては夏休みなど楽しみ一杯の時期になりました。一方で、アトピー性皮膚炎をお持ちのお子さんには汗などでひどくなりやすい時期かもしれません。汗をいっぱいかいたら、早めにシャワーをして外用薬をしっかりつけるなどのスキンケアが大切ですね。今回は、紫外線と関係のあるビタミンDの話題です。

今月のテーマ「ビタミンD不足でアレルギー?」

 昔の子どもたちは、夏になると真っ黒になるまで日焼けをすることが健康であることの証とされ、2学期の始業式では誰が一番黒くなったかを競い合っていたものです。しかし、最近では紫外線と皮膚がん発症の関係が盛んに取りざたされるようになって日焼けはすっかり悪者になってしまい、子どもが外出する際には紫外線を遮断するクリームをしっかり塗ることを励行している保護者の方も多いのではないでしょうか。  最近、欧米を中心にビタミンD不足とアレルギーの関係について興味深い報告が出てきています。ビタミンDはもともと骨を強くするビタミンと知られ、その合成には日光浴が重要な役割を担っています(図)。まず、ビタミンDとアレルギーとの間に関係があるのではと考えるようになったデータは、アメリカ合衆国におけるアナフィラキシー用のアドレナリン自己注射器(我が国での商品名:エピペン(r))の人口当たりの処方率が北の方が多いという事実からでした。続いて、妊娠中にビタミンD摂取が少なかったお母さんから生まれた子どもでは、5歳の時点で喘息やアレルギー性鼻炎に罹患している割合が多かったとの報告があります。さらに、喘息児のなかでも血中のビタミンD濃度が低かった児の方が、喘息がより重症であったという報告も出ています。ビタミンDは、日光浴をしなくても、植物性(D2)と動物性(D3)ビタミンDを食物として摂ることができますが(第91号)、特に偏食のあるお子さんなどでは日光浴が必要になるかもしれません。極端な日焼けは皮膚がんとの関係が、また短時間での強い日焼けはやけどの危険性がありますので、辞めた方がよいのですが、極端な紫外線対策は却って良くないのかもしれません。

椎茸も日光浴が大切

 植物性のビタミンD2を多く含む食べ物として椎茸がありますが、椎茸も日光浴をさせるとビタミンDの含有量が多くなるそうです。ビタミンDのことを考えて椎茸を食べるのであれば、生椎茸よりも天日干しのほうが良いそうです。
【編集後記】世の中には、まだまだ知らないことがいっぱいありますね(有)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 11.01.04
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