アレルギー外来ニュース 平成22年11-12月号

第101号 平成22年11-12月号

 夏の猛暑がウソのようにすっかり冷え込んできました。昨年の冬は、新型インフルエンザのワクチンの供給が遅れて全国の医療機関はてんてこ舞いでしたが、今年はもうワクチン接種はお済みですか? そして、帰宅後の手洗いやうがいは家族皆でしっかりやっていますか? 今回は、黄砂と喘息の関係について解説します。

今月のテーマ「黄砂が吹くと喘息発作が多くなる?」

 春になって風が強い日には、空がなんとなく黄色く見え、車のフロントガラスに黄色い砂が溜まることがあります。これは遠く中国の内陸部にある砂漠(タクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原)から飛んでくる砂です。この砂は西風に乗って日本にたどり着くのですが、その間に中国の都市部や工業地帯を通過するために、その砂の表面に大気汚染物質などが付着していることが報告されています。また、砂と言っても飛んでいる間にお互いにぶつかり合って非常に小さな粒子になるため、ちょうど気管の中に入りやすい程度の大きさ(約5マイクロメーター)になっています。昨年、過去5年間に富山県内の病院に春に喘息発作で入院した子どものデータと富山県にいつ黄砂が飛散したかのデータを付き合わせて調べてみたところ、黄砂が大量に飛んできた日から約1週間は喘息入院の数が増えていることがわかりました(この結果はアメリカ胸部疾患学会雑誌に掲載されました)。スギ花粉と同様の対策をすれば、黄砂を吸い込まなくても済むのか、どうすれば喘息発作が誘発されないようにできるのかについては、現段階では十分なデータはありません。いずれにしろ、春の黄砂の季節は要注意です。
 *図は、環境省のHP(http://www.env.go.jp/earth/dss/index.html)からのものです。

スギ花粉にも注意

富山県農林水産総合技術センター森林研究所の来年度の予想では、来年度のスギ花粉の飛散量は例年に比べて非常に多く、平成3年〜22年の平均飛散量の2倍程度、平成22年の飛散量に比べると4-5倍になるようです。前のシーズンでも花粉症の症状がはっきりとあった人は、この春は相当苦しくなることが予想されます。2月に入ったら早めに抗ヒスタミン薬などの内服を開始して症状の増悪を防ぐ事もひとつの方法です。
森林研究所のホームページのアドレスは以下の通りです。
http://www.fes.pref.toyama.jp/sub3.html
【編集後記】空から降ってくるのは、雨や雪ばかりでなく、いろいろとあるようです。(遊)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 11.01.04
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