アレルギー外来ニュース 平成23年3-5月号

第103号 平成23年3-5月号

 東日本大震災で被災された方々には、心からお見舞い申し上げます。今回は、最近いろいろと話題の経口免疫療法についてです。

今月のテーマ「食物アレルギーの経口免疫療法はどんな子に?」

 最近、食物アレルギーに対する経口免疫療法がしばしば話題に上ります。しかし、全てのお子さんが対象となる訳ではなく、小さいお子さんの場合、多くは自然に治って食べられるようになります。経口免疫療法は大きく分けると2種類あり、ひとつは「緩徐な免疫療法」と言って、外来でゆっくりと計画的に増量していくタイプであり、もうひとつは入院した上で短期間にどんどんと原因食物の摂取量を増やす「急速免疫療法」です。
 右図はその使い分けを示しています。まず、ある程度の量を食べると軽いじんま疹程度の症状が出るだけで、それ以上ひどくならない人(図の水色)は、自宅で少しずつ摂取していけば最終的には食べられるようになります。しかし、ある程度の量は食べられるけれど、最終的には全身のじんま疹や咳・腹痛など皮膚以外の症状が出る人(図のオレンジ色)には、外来での緩徐な免疫療法が適しています。一方、少量の摂取だけで強いアレルギー症状がでる人(図の緑)は、自宅で行うのは危険ですので、入院の上で急速免疫療法を行うほうが良いと考えられています。次回以降で、実際の方法について解説します。

「災害児のこどものアレルギー疾患対応マニュマル」ができました

 今回の大震災を受けて日本小児アレルギー学会では、災害時に喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの子どもさんにどのように対応すればよいのかを簡単にまとめたパンフレットを作りました。それぞれ「お世話される方」、「避難所などで周囲にいる方」、そして「行政の方」向けの3通りがあります。学会のホームページよりダウンロードできますので、今後の災害対応として一度ご覧ください。 ( 日本小児アレルギー学会HP )。
*こどものアレルギー疾患に関する相談窓口も開設しました(無料)。電話の受付時間は短いですが、被災された方などに教えてあげてください。
電話:090-7031-9581
月〜金(祝休日以外) 午前11時〜午後2時
メール:sup_jasp@gifu-u-ac.jp(いつでもOKです)
【編集後記】今回、食物アレルギー用のミルクや食品の確保にかなり苦労された方がいたようです。日頃から1-2日分の備蓄をしておくことをお勧めします。(You)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 11.05.25
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