アレルギー外来ニュース 平成23年11月号

第105号 平成23年11月号

 秋も深まり食べ物がおいしい季節となりましたが、食物アレルギーのお子さんやその保護者の方にとっては「食べられかな」、「食べられれば良いのに」と心配の種は尽きないと思います。今回は、「保育所におけるアレルギー対応ガイドラインと生活管理指導表」についてです。

今月のテーマ「保育所でのアレルギー対応について」

 平成20年に、学校でのアレルギー対応(喘息発作への対応、食物アレルギー児への給食対応やエピペンの使用など)が安全で円滑に行えるようと、文部科学省が学校側にガイドラインを示し、主治医の意見を学校側に伝える手段として「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」が活用されています( 第95号参照)。そして、本年(平成23年)には保育所に通っているアレルギー児への対応について、厚生労働省から新たに(ガイドライン(PDFファイル)が示されました。
 基本的な内容は学校での指導表と同じですが、例えば食物アレルギーで食物除去をする理由に「今まで摂取したことがない」という項目が追加されるなど、幼児向けの工夫がなされています。そして、以前は保護者が独自の判断で保育所に対応を依頼したり、主治医が口頭で保護者に指示を伝えるなど、あいまいな部分が多かったのですが、この管理指導表を用いることで医学的根拠に基づいた対応が行えるようになるという利点があります。しかし、この文章だけでは情報が十分ではない場合がありますので、この文章を医師と保護者と保育所をつなぐコミュニケーションツールとして活用し、それぞれでよく話し合ってどのような対応が最善であるのかを検討することが大切です。。

「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」が改訂されました

  2008年以来3年ぶりに喘息のガイドラインが改訂されました。今回の大きな改訂点のひとつとして、「喘息の管理はまずコントロール状態を把握しながら進めて行く」とことが明記された点が挙げられます。「コントロール状態」の目安としては、症状の安定はもちろんですが、呼吸機能が安定した状態であることも含まれます。
【編集後記】子どものアレルギー疾患のガイドラインはどこが作るかと言いますと、医師向けのものは日本小児アレルギー学会が作成・公開しますが、学校や保育所での対応については各省庁が専門医を交えて作成したものを通達します。今回の保育所向けのガイドラインは、管轄省庁である厚労省が作成・通達したものですが、文科省管轄の幼稚園でも活用して頂けることを願うばかりです。(憂)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 11.11.14
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