アレルギー外来ニュース 平成24年1-8月号

第107号 平成24年1-8月号

 「アレルギー外来ニュース」の発行をしばらくお休みしておりましたが、その間にも子どものアレルギーに関する新しい知見がどんどんと発表されています。そこで今回は、最近改訂された喘息のガイドライン(小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012)に示された喘息の「コントロール状態」について解説します。

今月のテーマ「より良いコントロール状態を目指して!」

 今までのガイドラインでは、喘息の重症度に基づいて治療方針を決め(例えば、「◯◯ちゃんの喘息は重症なので吸入ステロイドでしっかり治療しましょう」など)、その治療を継続することに重きが置かれてきました。一方、最近の世界的な流れとして、現時点の治療薬がどのくらい効いているのか(「コントロール状態」と表現されます)を評価しながら治療法を調節することが大切であると考えられてきています。そこで、わが国のガイドラインでも今回の改訂で図に示すような方法が示されました。まず、現在治療中の患者さんのコントロール状態を「良好」「やや良好」「不良」と評価します。「良好」であれば、そのまま治療を継続するか、あるいは治療レベルを下げます(ステップダウンと言います)。「やや良好」であれば、治療レベルをあげるか(ステップアップと言います)、そのまま治療を継続します。「不良」であれば、この状態を脱するために治療をステップアップする必要があります。そして、このような「コントロール状態」の評価を1〜3ヶ月毎に行って治療の調節を繰り返すことによって、子どもさんの日常生活がより快適なものになることが期待されます。簡便な評価方法としてはC-ACT(第87号参照)やJPACなどの質問票があり、さらに「より良いコントロール状態を目指す」ためには、肺機能検査や呼気一酸化窒素の測定(第86号参照)が有用です。

加水分解小麦を含む石鹸によるアレルギー

 加水分解小麦成分を含む石鹸を使用することによって、皮膚アレルギー(上記石鹸使用による皮膚の発赤やかゆみなど)や小麦関連アレルギー(小麦を摂取した後に運動するとアナフィラキシーを起こすなど)を発症することが明らかとなり、社会問題になっています。現在、当科では疑わしい症状をお持ちの方の検査を行っています(日本アレルギー学会の活動の一環として)。成人の方でも検査できますので、気になる方は当科外来までご一報ください。
【編集後記】皮膚を通して食物アレルギーが発症するという事実にびっくりです。(湧)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 12.9.5
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