アレルギー外来ニュース 平成24年11-12月号

第109号 平成24年11-12月号

 昨年「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」が発表され、利用される方々が徐々に増えてきています。ただ、その中の食物アレルギー・アナフィラキシーの項にあります「除去食品で摂取不可能なもの」の記載について、医療者側もまた保護者の方々にもとまどいがあるようです。

今月のテーマ「食物アレルギー:これ大丈夫?」

 「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表(食物アレルギー・アナフィラキシー)」の項目Dには、表1のような欄があって摂取不可能なものに◯をつけるようになっています(第105号参照)。そのため、一部の医療関係者や保護者の方は、該当する原因食物の摂取でアレルギー症状が出るのだから、これらの食品・食材も当然摂取すれば症状がでるであろうと考えて、該当するものに◯をつけられることがあります(例:卵アレルギーの子どもさんは全員、卵殻カルシウムも禁)。
 しかし、実際にここに記載されている食品・食材には原因食物の成分はごく微量しか含まれておらず、大部分の食物アレルギー児ではこれらのものは摂取可能です。ですから、この項目の記載については担当医とよく相談してから◯をつけるようにしてください。ただし、過去に強いアレルギー反応をおこした経験のある児では、医療機関で実際に乳糖を何グラムか飲んでもらったり、醤油のついたものを食べてもらったりして確認することが必要な場合もあります。
 また、食物アレルギー児の保護者の方はいつも食材やお菓子を買う時に食品表示に注意しておられることと思いますが、その時「これ大丈夫?」と気になる表示があるかと思います(表2)。「乳化剤」と言った名前にだまされないようにする必要もありますが、「ホエイ」のように名前の意味が全く分からないという場合もありますので、食品表示を見る際には注意が必要です。ご不明な点があれれば、担当医にご相談下さい。

表1 除去食品で摂取不可能なもの
原因食物摂取不可能なもの
鶏卵卵殻カルシウム
牛乳・乳製品乳糖
小麦醤油・酢・麦茶
大豆大豆油・醤油・味噌
ゴマごま油
魚類かつおだし・いりこだし
肉類エキス
表2 わかりにくい食品表示例
表示内容原因食物との関係
カカオバター牛乳とは関係なし
カゼイン牛乳の主成分のひとつ
グルテン小麦の主成分のひとつ
でんぷんジャガイモ、米、小麦、くず、コーン、サツマイモなどから作られる
乳化剤牛乳成分は含まれない
乳酸菌乳酸菌そのものは牛乳とは関係ないが、乳酸菌で発酵させた発酵乳には含まれる
乳酸カルシウム牛乳成分は含まれない
ホエイ(乳清)牛乳成分を含む
ラクトグロブリン牛乳成分を含む
(よくわかる食物アレルギーの基礎知識より一部抜粋)

【編集後記】アレルギーの食品表示が法律で義務づけられているのは日本だけのようです。(猶)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 12.12.18
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