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メッセージ:富山大学小児科学教室より

小児科の魅力とは

なぜ今、小児科なのか

現在の日本は少子化傾向ではありますが、それに伴い小児科医の需要は減っているのかという疑問があります。結論から述べるとNOです。 小児科医はまだまだ不足しています。それは小児医療が時代とともに変遷しているからです。医学の専門分化の進行により、従来小児も診ていた内科医が小児を診なくなってきています。 一般の人たちの医学知識の普及により、小児の専門医である小児科医にみてもらいたいという意識の高まりもあります。 さらに子どもは急変しやすく、救急医療は小児科の宿命であり、基幹病院では救急に対応するため小児科医の増員が求められています。 また小児救急のみならず、虐待対策などの社会医学、周産期医療、思春期医学、小児精神医学などの分野における新たな需要もあります。 このような理由により小児科医への期待はますます高まっています。

小児科の魅力とは

「子供は大人のミニチュアではない。」よく聞く言葉です。子供が成人と大きく異なるのは、「成長する」ということです。 3kgで生まれた赤ちゃんが1年たつと体は3倍になり、泣いておっぱいを飲むことしか出来なかったのが、歩いて「バイバイ」と言うことが出来るようになります。 3歳になれば体は5倍になり、おしゃべりも上手になります。10年たてば、恥ずかしがって口も聞いてくれなくなることも・・・病気になるということは、ある程度避けることができない現実です。 しかし病気によって「心と体の成長」が妨げられるようなことがあってはなりません。我々小児科医は、病気を診るのは当然ですが彼らの成長を見続けているのです。 成長をみること、つまり患者さんを全人的に見ることが出来るというのは小児科医療の魅力の一つです。

「子供はしゃべれないから分からない」という言葉をよく聞きます。確かに小学校低学年くらいまでは、子供たちの訴えが分かりにくいことがあります。 特に新生児、乳児はしゃべることが出来ないため、成人に比べると症状の訴え直接聞くことは出来ません。しかし、症状は言葉だけで訴えるわけではありません。 「泣き方が普段と違う」「手を動かそうとしない」「ずっと寝てばかり」など、彼らは言葉で訴えることができない代わりに様々なサインを送ってくれます。 このサインを受け取ることを我々小児科医は大切にしています。丹念な診察をすることで言葉を話すことが出来ない子供たちの訴えを聞きとります。 小児科医は診察を通して体の声を聞いているのです。小児科力というのは診察力と言い換えることが出来るかもしれませんね。これも小児科医の魅力です。

やっぱり小児科の魅力の一番は子供たちの笑顔です。子供たちは素直です。痛みや辛さが消えた途端、我々に笑顔を見せてくれます。 彼らの笑顔を見ていると、周りの人も笑顔になって元気になります。病院の中で笑顔が一番あふれる場所は間違いなく小児科病棟でしょう。 残念ながら、ある一定の頻度で子供たちは病気にかかってしまいます。たとえ病気になったとしても、彼らには他の子供たちと同じように笑う権利があります。 我々と同じような学生時代をすごし、旅行をしたり、恋愛をしたり、人生を楽しむ権利があります。彼らの笑顔とその権利を守ることが、我々小児科医の大切な仕事です。

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