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日本小児血液・がん専門施設 研修プログラム

 研修施設名:富山大学附属病院小児科
 運 用 期間:平成28年4月1日~平成33年3月31日
 指導責任者:野村 恵子
 作   成:平成28年2月15日(更新)

1.研修対象者
  小児血液・がん専門医を志す小児科医(小児科専門医取得前)

2.研修期間
  原則として24か月間

3.一般目標(GIO)
  小児血液疾患および小児がんの子どもたちに質の高い専門医療を提供するために、小児血液疾患および
  小児がん領域に関する幅広い知識と十分な経験および錬磨された技能を習得した医師を育成する。

4.指導医
  研修責任者:野村 恵子
  小 児 科:野村 恵子(小児血液・がん指導医・専門医、血液専門医、造血細胞移植認定医)
  小児外科:廣川 慎一郎(小児外科指導医)
  放射線科:野口 京(放射線診断専門医)、野村 邦紀(放射線治療専門医)
  病 理 科:井村 穣二(病理専門医)

  小児がん・小児血液疾患診療に関わるその他の部門の指導医
      脳神経外科:黒田 敏 整形外科:安田 剛敏 血液内科:村上 純  
5.研修場所
  研修施設は富山大学附属病院であり、以下の要件を満たしている。
  1)造血器腫瘍・固形腫瘍(骨肉種・脳腫瘍を含む)・非腫瘍性血液疾患の診療
  2)造血幹細胞移植(骨髄移植推進財団認定施設およびさい帯血バンクネットワーク登録施設)
  3)小児外科治療(小児外科専門医が常勤で在籍)
  4)放射線治療(放射線治療専門医が常勤で在籍)
  5)病理診断(病理専門医が常勤で在籍)

6.行動目標(SBOs)
  1)下記の研修単元大項目およびこれに関連して別紙「日本小児血液・がん学会専門医カリキュラム」
    に規定されている詳細事項についての知識・態度・技能を習得する。
   1.血液学総論
   2.赤血球
   3.白血球
   4.免疫異常
   5.血小板
   6.凝固
   7.腫瘍学総論
   8.造血器腫瘍
   9.固形腫瘍
  10.脳脊髄腫瘍
  11.治療学総論
  12.輸血療法
  13.細胞療法
  14.緩和医療
  15.晩期障害長期合併症
  16.倫理・研究

  2)以下の資格を取得していない場合には研修終了までに取得する。
  (1)日本小児科学会小児科専門医
  (2)日本がん治療認定医機構がん治療認定医または日本血液学会血液専門医

7.学習法略(臨床経験・知識の習得・習慣の習得)
  1)指導医のもとで診療チームの一員として下記に挙げる小児血液疾患および小児がん各疾患の診断・
    治療を経験する。
   (1)造血器腫瘍:急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫
   (2)固形腫瘍:神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫、胚細胞腫瘍、骨軟部腫瘍(横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、
      PNET、骨肉種)、脳腫瘍
   (3)非腫瘍性血液疾患:赤血球疾患(鉄欠乏性貧血を除く)、非腫瘍性白血球系疾患、血小板異常、
      凝固障害、免疫不全症

  2)上記1)に挙げる各疾患の診断・治療の経験に際しては、下記に挙げる病態のどれかに偏ることなく、
    幅広く各病態を経験するように努める。
   (1)腫瘍性疾患(造血器腫瘍および固形腫瘍)の場合には、
     1 初発未治療患者の診断と治療を行った症例
     2 再発患者の再発直後の入院治療を行った症例
     3 終末期の症例
   (2)非腫瘍性血液疾患(先天性・後天性凝固障害、鉄欠乏性貧血を除く赤血球疾患、非腫瘍性白血球系
      疾患、血小板異常、輸血合併症、免疫不全症など)の場合には、
     1 初発未治療患者の診断と治療を行った症例(入院・外来を問わず)
     2 合併症治療や特殊治療を行った症例(例えば、感染症のための入院、造血幹細胞移植、出血性疾患
       では手術や外科的治療の止血管理のための入院、免疫学的治療など特殊な治療での入院、外来での
       止血管理など)

  3)指導医のもとで診療チームの一員として造血幹細胞移植に関わる下記の診断・治療を経験する。
   (1)同種造血幹細胞移植
     1 同種造血幹細胞移植治療
     2 同種造血幹細胞移植ドナーからの骨髄採取と細胞処理
   (2) 自家造血幹細胞移植
     1 自家造血幹細胞移植治療
     2 自家造血幹細胞移植のための造血幹細胞採取と保存

  4)上記1)~3)に述べた経験症例については、専門医申請に必要な個別症例票を15例記載する必要がある
    ため、以下の10例は必ず経験する。
   (1)造血器腫瘍3例:急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫の中からいずれかを3例
      経験する。
   (2)固形腫瘍3例:神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫、胚細胞腫瘍、骨軟部腫瘍、脳腫瘍の中からいずれかを
      3例経験する。
   (3)非腫瘍性血液疾患3例:赤血球疾患(鉄欠乏性貧血を除く)、非腫瘍性白血球系疾患、血小板異常、
      凝固異常の中からいずれかを3例経験する。
   (4)同種造血幹細胞移植症例1例

  5)指導医のもとで診療チームの一員として、院内倫理審査委員会で承認された臨床研究を経験する。
   (1)臨床研究への参加に関する説明を行い、同意を取得する。
   (2)臨床研究による治療、評価を行う。
   (3)臨床研究の実践に関わる手続き(登録、調査票作成・提出など)を行う。

  6)小児血液疾患および小児がんに関わる研究活動に参加する。
   (1)日本小児血液・がん学会が研修実績として認定する学会やセミナーに参加する。これらは専門医受験
      申請までに合計研修単位が100単位以上となるように2年間での研修参加を調整する。
   (2)日本小児血液・がん学会が学術業績として認定する学会発表を、筆頭演者として2年間で3件以上
      行う。
   (3)日本小児血液・がん学会が学術業績として認定する原著論文を、筆者著者として2年間で2編、
      共著者として1編作成する。
   (4)院内臨床研究の立案、実行に協力する。院内倫理審査委員会に出席する。
   (5)院内がん登録、日本小児血液・がん学会の疾患登録・TRUMPなどの登録作業を行う。

  7)小児血液疾患および小児がんに関わる院内医療従事者とのカンファランスに参加する。また院内医療従事
    者に対する教育・指導を行う。
   (1)診療に関わる基本的事項の指導を行う。
   (2)症例に関わるプレゼンテーションを行う。(小児がんカンファランス、緩和ケアチームとのカンファ
      ランス、こども療養支援者や教育支援者とのカンファランスなど)
   (3)診療に関わる基本的事項の講義を行う。

  8)小児血液・がん専門医取得に必要な以下の専門医を取得するための準備を行う。
    (すでに取得している場合には不要である)
   (1)日本小児科学会小児科専門医
   (2)日本がん治療認定医機構がん治療認定医または日本血液学会血液専門医

  9)小児血液・がん専門医を取得するための準備を行う。
   (1)必要経験症例30例以上の一覧を作成する。
   (2)15例の個別症例票を記載する。
   (3)小児血液・がん学会が指定する学会、セミナーへ出席し、合計研修単位100単位以上を証明する出席
      記録(参加証の写しを添付)を作成する。
   (4)小児血液・がん学会が指定する学会発表3件のリスト(抄録の写しを添付、筆頭演者としての発表
      1件以上を含むこと)を作成する。
   (5)小児血液・がん学会が指定する論文3件のリスト(論文表紙(表題、著者、所属、要約を含む)の
      写しを添付、筆頭著者としての原著論文1編以上を含むこと)を作成する。

8.主な予定
  小児がんカンファランス(小児科+小児外科+脳神経外科)    随時
  入院患者血液腫瘍カンファランス     毎週木曜日 16:00~17:00

週刊予定
  午前 午後 夕夜間
     
専門外来 教授回診・抄読会  
     
専門外来 専門外来 入院患者血液腫瘍
カンファランス
  教授回診  
     
     
  小児科症例検討会 毎月第二火曜日 19:00-21:00

9.講義
  1)小児がんの画像診断(放射線科:野口 京)
  2)小児がんの病理組織診断(病理科:井村 穣二)
  3)小児がんの外科治療(小児外科:廣川 慎一郎)
  4)小児がんの放射線治療(放射線科:野村 邦紀)
  5)小児血液講義(小児科:野村 恵子)
  6)小児がん化学療法(小児科:野村 恵子)
  7)小児血液・がん造血幹細胞移植(小児科:野村 恵子)
  8)緩和療法(小児科:野村 恵子)
  9)長期フォローアップ(小児科:野村 恵子)
 10)終末期医療(小児科:野村 恵子)
 11)臨床研究(小児科:野村 恵子)

10.短期実習
  1)病理組織診断実習(病理科:井村 穣二)
  2)細胞分離実習(小児科:野村 恵子)
  3)フローサイトメトリー実習(小児科:野村 恵子)

11.評価
  1)レポート提出
    対象症例の選定・書式は以下に従う。
    日本小児血液・がん学会による日本小児血液・がん学会専門医受験に際し求められる事項。
    提出されたレポートを暫定指導医が指導する。

  2)研修開始後6か月毎に下記により研修の進行状況を確認する。
  (1)暫定指導医による面談
     本カリキュラムの達成状況など
  (2)日本小児血液疾患・小児がん診療に関わるスタッフによる評価

  3)研修期間終了までに下記の専門医を取得する。
  (1)小児科専門医
  (2)がん治療認定医または血液専門医

  4)研修終了後に
    小児血液・がん専門医

12.経験症例達成の見込み
富山大学附属病院では直近の3年間で以下の診療実績がある。
  2014年 2015年 2016年 合計
造血器腫瘍(初発)  3  9  6 18
固 形 腫瘍(初発) 14  2  5 21
非腫瘍性血液疾患(初発)  2  5  5 12
同種造血幹細胞移植  1  0  2  3
自家造血幹細胞移植  0  1  0  1
終末期医療  5  5  2 12
  合   計 25 22 20 67

以上の診療実績からは、当院単独で、年間に1~2名の研修が見込める。

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