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沿革

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  薬理学講座は昭和52年4月に,中西頴央教授のもとに開講され,その後平成5年11月に武田龍司が二代目主任教授に就任し,平成17年7月より三代目主任教授として服部裕一が着任して,現在に至っている。

 昭和53年に入り,中西教授とともに武田助教授が信州大学より赴任し,続けて山崎弘美助手,西口慶子技官が採用され講座の形態が概ね整い,さらに昭和53年9月には百瀬弥寿徳助手が加わったことで,スタッフとしての陣容が固まり本格的研究活動がスタートした。さらに昭和56年には宮元玲子,櫨彰が研究生として入局し,研究に従事した。当時の主な研究テーマは,「アルコールおよびアセトアルデヒドの薬理作用」であり,アルコール嗜好性や耐性発現と肝あるいは脳内のALDHなどの酵素との関係,アルコールとアセトアルデヒドの細胞膜電流に及ぼす作用などの研究において,生化薬理学的および電気生理学的手法を用いての解析が進められた。

 中西教授が平成4年8月に副学長に就任し講座主任を退かれ,平成5年11月から平成17年3月までの武田教授在任期間には,百瀬助手が助教授に昇任し,平成7年4月に東邦大学薬学部教授として転出された後は,櫨助手が助教授に昇進した。その間,山崎助手に加えて,平成7年4月~平成14年3月までは岡崎真理が,平成14年4月からは大井義明(現:愛知学院大講師)が助手を勤めた。武田教授のもとでは,従来の研究グループを編成し直し,呼吸中枢回路の神経薬理学をメインテーマとした研究活動が行われた。具体的には,生体における正常呼吸リズム形成の神経メカニズムの解明や,スライスパッチを用いた呼吸中枢ニューロン細胞膜電流の解析等であり,呼吸器系の薬理学に新しい光を当ててきた。

 平成17年4月には櫨助教授が愛知学院大学薬学部教授に栄転し,6月に西口技官が退職され,7月に服部教授が北海道大学より就任し, 8月より松井恵美事務補佐員が加わり,平成18年1月には松田直之准教授を北海道大学より迎え,新しい研究・教育体制が整った。服部教授・松田准教授らは,北大時代より「敗血症をはじめとする全身性炎症症候群とそれに付随する合併症の分子病態生理と治療戦略」を主たるテーマとして研究していたが,富山の地で,転写因子デコイやRNA干渉を応用した敗血症の遺伝子治療に関する研究が本格的に稼動しだし,その成果を,American Journal of Respiratory Critical Care Medicineなどインパクトの高い国際雑誌に相次いで発表することができた。
 平成19年に,大学院生として,本学第二外科から神山公希院生が,産業医大小児科から高野健一院生が,当教室の研究構成員として加わり,松田准教授の指導のもと,神山院生は,「敗血症治療のステロイド使用の功罪」について,高野院生は,「敗血症性急性肺傷害に対するスタチンの有用性」について,学位論文をまとめ,その成果は,それぞれ,American Journal of Physiologyと,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeuticsに掲載された。その松田准教授は,9月に京都大学初期診療・救急医学分野の准教授として移動し,その後名古屋大学救急・集中治療医学教授に栄転したが,今も当講座とは敗血症の新規治療の探究に関して共同研究を行っている。松田准教授に代わって,10月からは宮崎大学医学部より横尾宏毅准教授が着任し,宮崎大時代の中枢神経組織でのインスリンシグナルトランスダクション研究技法を踏まえて,敗血症性脳症の分子病態機構とその治療戦略についての研究に着手した。
 平成20年4月には,星薬科大から冨田賢吾が,翌々年には,明治薬科大から高階道徳が,大学院生(修士課程のち博士課程)として加わった。博士課程院生は,その後,麻酔科から,青木優太,大石博史,武部真理子が,第一内科から,神原健太が,第一外科から,坂田公正が,当教室で研究成果を上げ,それぞれ学位論文を国際一流誌に掲載させて,博士号を取得した。また中国からの留学生である王強は,横尾准教授の指導のもと,「Ca感受性増強強心薬レボシメンダンの敗血症奏効機序」の研究をまとめ上げ,平成27年4月に帰国した。
 平成23年3月に,山崎弘美助教が教室を去り(現:敦賀市立看護大学准教授),平成26年9月1日付けで,横尾宏毅准教授が,常葉学園健康プロデュース学部教授として栄転していった。山崎助教の後任は,平成24年度には田口久美子が,平成26年度には水野夏実が,一年間ずつ着任し,ヒト血管内皮培養細胞を用い,田口助教は,疑似インスリン抵抗性糖尿病状況下でのeNOSシグナリングに対するGRK2の抑制機構について,水野助教は,高血糖下でのROS産生におけるbeta-arrestin2の役割についての研究を手掛ける一方,多くの大学院生の指導にあたった。平成25年度からは,大橋若奈が助教として着任し,教室の分子生物学的手法を飛躍的に発展させることができた。

現在,当教室では,細胞・分子レベルからのアプローチに体系的な研究を取り入れた病態解析薬理学と実験治療学を展開させ,将来の創薬の開発や疾病の治療戦略の発展に貢献することを目標に,教室員一丸となって奮闘している。教授の服部は,平成21年より米国薬理学会機関誌のJournal of Pharmacology and Experimental Therapeutics (JPET)のAssociate Editorとなり,その編集に務める一方,Circulation ResearchやDiabetesといった著明な雑誌に評論を執筆している。現在のスタッフは,助教として,大橋若奈,鈴木登紀子,冨田賢吾であり,院生として,高階道徳,坂本卓弥(Weill Cornell Medical College留学中),今泉貴博,服部瑞樹(麻酔科),三澤宏貴(和漢診療),酒井麻里(第一外科),川上正晃(麻酔科)が学位取得のため日夜研究中であり,エジプトからの国費留学生として,Lobna Aly Abdelzaherが頑張っている。なお,事務補佐員は,松井恵美以降,竹村葉子,渡辺美栄子,西谷千鶴と,現在四代目である。(敬称略)

服部裕一

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