大腸がんについて

大腸外科領域の診療の特色

  • 直腸癌に対して、ロボット支援下手術を導入、狭い骨盤内でもより巧緻な手術を行うことにより、直腸機能、肛門温存手術を積極的に行っています。
  • より低侵襲の手術を目指し、大腸癌をはじめ多くの疾患で腹腔鏡下での手術を導入しています。
  • 腹腔鏡手術の欠点である立体感のない2次元画像の手術で行う点を補うため3D腹腔鏡システムを用いた腹腔鏡手術を行っています。
  • 人工肛門管理の専門資格を持った皮膚・排泄ケア看護認定看護師にストーマケア外来を開設しています。
1ロボット支援下直腸切除術
直腸と肛門は、お腹から見ると、狭く深い骨盤内に存在しています。さらに骨盤内には、重要な血管や神経(排尿・排便・性機能を調節する自律神経)が複雑に走行しています。直腸癌の手術では、癌を含めた組織を完全に切除すること「がんを治す」と血管や神経、肛門の筋肉を傷つけずに残す「機能の温存」という二つの要素をバランスよく両立することが求められます。癌を治すための手術では、癌とその周囲の正常な部分を含めて広く切除します。通常は直腸癌から2cmを目安とし肛門側の直腸を切除します。肛門側につなぎ合わすための直腸を残すことができれば、肛門の近くで腸と腸をつなぎ合わせる操作を、自動吻合器という手術器械を使って安全に行えるようになりました。またさらに肛門に近い直腸癌でも比較的早期癌の場合は、肛門括約筋(肛門を締める筋肉)を部分的に切除したうえで腸と肛門をつなぎ合わせることも可能となりました。狭い骨盤内でも、より精密な手術操作を行なえる手術支援ロボットにより、肛門に近い直腸癌でも安全に癌を切除し、腸をつなぎ合わせることが可能となりました。
当院でも2018年6月に県内で最も早く、直腸癌に対してのロボット手術を導入しました。以来、肛門に近い直腸癌に対しては、ほぼ全例をロボット手術で施行しています。さらにロボットを用いることにより、従来は、肛門周囲の筋肉の切除を必要とし、人工肛門の造設が不可避であった患者さんにも肛門温存の直腸手術を行うことが一部可能となりました。
大腸外科領域における腹腔鏡下手術について 大腸外科領域における腹腔鏡下手術について 大腸外科領域における腹腔鏡下手術について 大腸外科領域における腹腔鏡下手術について
2大腸外科領域における腹腔鏡下手術について
 小腸から大腸および肛門までを専門に大腸外科領域で担当しています。手術対象となる主な疾患として
大腸領域 ・大腸癌、直腸癌 ・急性虫垂炎、大腸憩室症、憩室炎 ・結腸軸捻転 など
小腸領域 ・小腸腫瘍 (小腸GIST、消化管リンパ腫 ・腸閉塞 ・クローン病 など)
肛門領域 ・骨盤臓器脱、直腸脱
その他 ・後腹膜腫瘍 ・婦人科、泌尿器科関連疾患 など
これら疾患に関して、過去に腹腔鏡下手術を行っている実績があり、近年は対象疾患の80-90%を腹腔鏡下手術で行っています。
大腸癌切除手術件数とロボット手術件数の年次推移
33D腹腔鏡システム
 腹腔鏡を用いた手術では、カメラを通した画像を2次元モニターに描出するため、立体感の欠如した画像を見て手術を行う欠点があります。当科では、3D腹腔鏡システムを2014年に北陸地区で初めて導入しています。
 この3D腹腔鏡システムの導入により、腹腔鏡下大腸癌手術(結腸切除、直腸切除)の平均手術時間が、約50分短縮しています。
3D腹腔鏡システム
4ストーマ外来
 人工肛門は、ストーマとも呼ばれています。
 がんに罹る患者さんの増加に伴い、人工肛門を必要とする方も多くなってきています。そのような人工肛門をお持ちの患者さん(オストメイトと云います)の診療を行っているのがストーマ外来です。人工肛門管理の専門資格を持った皮膚・排泄ケア看護認定看護師が、それぞれの患者さんの人工肛門の状態に合わせたアドバイスやケアを行っています。当院で手術を行われた方はもちろん、ほかの施設で手術を行われた方も受診することが可能です。また腸管ストーマ(人工肛門)だけでなく、尿路系ストーマ(人工膀胱や尿管皮膚ろう)に関するトラブルや相談にも対応しています。