当科の最新治療について

膵臓外科
膵臓疾患に対する膵臓手術は年間100件以上行っています。年間100件以上の膵臓手術は国内では限られた施設しか達成しておらず、北陸では当院のみです。その実績から、通常では切除が困難である疾患でも、高度な技術と安全性をもって切除が可能かどうか症例ごとに検討しています。膵臓疾患でお悩みの方は、一度当院を受診ください。
1.

ロボット支援下膵切除術(Da Vinci)

多くの膵臓高難度手術の経験から、より精度の高い確実な手術に取り組み、安全性を重視した体に優しい内視鏡外科手術も行っております。ロボット支援下手術で使用されるダビンチサージカルシステムは、精密な3D画像、手ぶれ防止機能、多関節機能など内視鏡外科手術をより安全かつ正確に行うために開発された技術で、2020年に保険適応となり、当院では近隣6県(富山、石川、福井、新潟、長野、岐阜)で唯一導入しています。当院では膵臓外科手術および内視鏡外科手術の熟練したエキスパートにより本手術を行っております。すべての疾患でダビンチを使用するわけではなく、従来の開腹術の方がより確実に手術を行えることもあります。ダビンチ手術を含めた内視鏡外科手術の適応はカンファレンスにて、疾患や患者さんの状態などから、患者さんに対し有益と判断される場合に、適用しております。

ロボット支援下膵切除術
ロボット支援下膵切除術

ロボット支援下膵切除術

2.

膵臓癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法が承認されました。北陸では当院だけが、日本でも数カ所の施設だけで可能な治療です。膵癌と診断された方は、審査腹腔鏡検査を受ける必要があります。
(なお、「腹膜以外に遠隔転移がある」、「化学療法を二カ月以上おこなっている」方は本治療の適応とはなりません。)なお、本治療は臨床試験登録の上で行っています。「腹膜以外に遠隔転移がある」、「化学療法を二カ月以上おこなっている」方は臨床試験の適応とはなりません。

膵臓外科

膵癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法

3.

切除不能膵癌に対して抗がん剤治療を行い、縮小させて切除可能となった症例を多数経験しています。他院で切除不可能と診断されても、一度当院を受診ください。

膵臓外科

切除不能膵癌に対する抗がん剤治療

4.

藤井努教授が前任地の名古屋で考案した膵臓空腸吻合を、富山大学でも引き続き行っています。他の施設と比べて圧倒的に合併症が少なく、手術を非常に安全に行うことのできる方法です。膵癌以外の膵腫瘍、胆管癌、乳頭部癌、十二指腸腫瘍など、この術式の適応となります。

膵臓外科

Blumgart変法による膵空腸吻合

5.

一般病院では切除が困難である血管合併切除再建も安全に行っています。門脈合併切除再建、大きな膵癌での自家血管を用いたグラフト門脈再建、動脈の合併切除再建も、癌の根治性を追求し積極的に行っています。

膵癌に対する門脈合併切除再建

膵癌に対する門脈合併切除再建

肝動脈浸潤の膵癌に対する肝動脈合併切除

肝動脈浸潤の膵癌に対する肝動脈合併切除

胆道外科

一般病院では切除不能な胆管癌に対しても、血管合併切除や門脈塞栓術を行って切除しています。手術後の再発予防の化学療法も、全国多施設と共同してしっかりと行っています。

胆道外科

胆管癌に対する血管合併切除再建

肝臓外科

傷の小さな腹腔鏡下での肝切除が可能です。肝部分切除だけではなく肝葉切除に対する腹腔鏡手術も行っています。腹腔鏡下肝切除は富山県内で最多の実績を誇っており、安心して治療を受けられます。大手術のイメージであった従来の肝臓手術に比べて、傷の痛みも少なく、入院期間も短縮されます。

肝臓外科

腹腔鏡下肝切除の傷

肝臓外科

腹腔鏡下肝切除の術中写真

食道外科
1.

ロボット支援下食道切除術

2020年に富山県では初となる、手術支援ロボット(ダビンチ)による食道切除術を導入し、現在はほとんどの食道癌患者さんに対して行っています。これまでの胸腔鏡下手術の精度がさらに高くなり手術による反回神経麻痺が非常に少なくなりました。

ロボット支援下食道切除術風景

ロボット支援下食道切除術風景

ロボット支援下食道切除術での神経周囲リンパ節切除

ロボット支援下食道切除術での神経周囲リンパ節切除

2.

胸腔鏡下食道切除術

胸腔鏡下手術では胸に5-10mm 程の傷を数か所つけて、カメラ(胸腔鏡)を入れてハイビジョンモニターを見ながら手術を行います。従来の開胸手術と比べて体に負担が少ないうえ、より安全で緻密な手術が可能になりました。2008年の導入以来160例を超える患者さんに施行し、良好な成績となっています。

ロボット支援下食道切除術での神経周囲リンパ節切除

3Dシステムを用いた完全胸腔鏡下食道切除手術

3.

縦隔鏡下非開胸食道切除術

肺の働きが低下していて胸腔鏡下手術を受けることが難しい患者さんに対しても安全に食道がんを切除しています。

縦隔鏡下非開胸食道切除術
4.

術後の合併症が非常に少なくなっています。
胃管再建後の縫合不全率が1.2%となり全国平均の8~15%を大きく下回り、治療成績も全国平均を大きく上回っています。

5.

当初は切除が難しい進行がんに対して抗がん剤治療を行い、腫瘍を小さくしてから切除するコンバージョン手術も多数行い、良好な成績を得ています。

6.

頸部食道癌に対する喉頭温存手術や下咽頭・喉頭切除術、化学放射線治療後の遺残・再発に対する追加切除手術(サルベージ手術)も安全に行っています。

胃外科
腹腔鏡下幽門側胃切除術では、縫合不全は1例も認めておらず、術後膵液漏の発生頻度は2%未満であり、治療成績は良好です。現在は胃全摘術や、進行癌症例にも適応範囲を拡大しています。新しい試みとして、手術支援ロボット( daVinci )や肥満症に対する減量手術導入に向けた準備を行っています。
1.

手術支援ロボット( daVinci )

術者はサージョンコンソールと呼ばれる操作システムに座り、遠隔操作で患者さんの体内に挿入されたロボットの鉗子を用いて手術を行います。
ロボットアームには3Dハイビジョンカメラと、多機能で自由度の高い関節を持った鉗子、凝固デバイスが装着されており、従来の腹腔鏡手術よりも精度の高い手術が可能となります。

胃外科

da Vinci Xi(Intuitive Surgical社より使用許諾)

2.

肥満症に対する減量手術

減量と同時に併存疾患(糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肝機能障害、睡眠時無呼吸症候群)を改善することを目的とします、
様々な術式がありますが、保険診療として施行できる術式はスリーブ状胃切除術です。胃をバナナ1本分の大きさに細長く切り取り、胃の容積を縮小させる手術です。

胃外科

スリーブ状胃切除術

大腸外科

大腸癌の手術では、腹腔鏡手術を9割以上で行っている実績があります。
最新の手術機器を用い、より安全かつ低侵襲な腹腔鏡による直腸癌手術を行っています。

大腸外科

3D 腹腔鏡システムを用いた大腸癌手術

ロボット支援下直腸切除術

2018年6月に県内で最も早く、直腸癌に対してのロボット手術を導入しました。以来、肛門に近い直腸癌に対しては、ほぼ全例をロボット支援下での直腸切除術を行っています。さらにロボットを用いることにより、従来は、肛門周囲の筋肉の切除を必要とし、人工肛門の造設が不可避であった患者さんにも肛門温存の直腸手術を行うことが一部可能となりました。

ロボット支援下直腸切除術

ロボット支援下直腸切除の手術風景

乳腺科

乳がんの根治性と乳房の整容性を追求する乳房オンコプラスティックサージャリーを行っています。最新の薬物を積極的に用いて乳がんの根治性を高め、また、形成外科と連携し、整容性を目指した高難度の手術が可能です。

リスク低減乳房切除(RRM)

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)と診断された方に対し、乳がんになる前に予防的に乳房を切除するリスク低減乳房切除術(RRM)というものがあります。当科では、HBOCの方で乳がんの治療を受けた方、または、まだがんを発症する前の方にもRRMを施行し乳がんを予防する治療を行っています。さらに形成外科と連携し同時再建も可能で、再建方法も自家再建や脂肪注入を行うことで軟らかく温かみのある自然な形の乳房を作ることができます。

乳腺外科

左乳房全切除+腹部皮弁再建