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生理学の目標はいうまでもなく生体の機能解明にあり、生体の正常な働きや生命現象の基本機構を追及する学問です。
すなわち、生体は、
(1)視覚、聴覚、味覚、嗅覚、体性感覚など外界環境からの刺激を受容・処理して(感覚系)、運動系により刺激に適切に反応し(運動系/筋肉生理系)、
(2)食物を摂取・消化・吸収して必要な栄養素を獲得し(消化・吸収系)、
(3)呼吸により酸素を摂取して、エネルギーと必要な有機物を産生し(呼吸系)、
(4)種々の物質を代謝・分解して、不要な物質を排泄し(排泄系)、
さらに(5)体液を循環させることにより、各細胞を取り巻く間質液の恒常性を維持しています。
生体には、これらの機能を担う特殊臓器(脳、筋骨格系、消化器、呼吸器、肝臓、腎臓、心血管系)があり、それぞれの機能を遂行しています。
さらに、これら各機能系は、相互依存により複雑に絡み合い、干渉し合っています。
当大学における生理学講義では、これら各臓器の基本機能を学習するとともに、これら複雑に絡み合っている各機能系全体を統合している中枢神経系の基本的なメカニズムを理解することに重点を置いています。

 生理学の講義は2年次に行われますが、上記の生体の生理機能における基礎的な知識とともに、臨床医学に必要な病態生理学的な思考が身に付くよう配慮しております。
当講座では、生理学のうち、植物機能では、呼吸系、消化・吸収系を、動物機能では神経系および筋肉生理系を担当しています。


担当講義
 生理学(システム情動科学、統合神経科学)の講義は、2年次生を対象とし、全体で系統講義約165時間です。実習は3年次生を対象とし、約60時間です。
実習項目
 実習では、大きく二グループに分け、前半および後半の各30時間づつシステム情動科学および統合神経科学の実習を交代して行なうシステムになっています。