和漢診療学講座の
ご案内
講座概要

教授ご挨拶

富山大学和漢診療学講座は、1979年(昭和54年)富山医科薬科大学附属病院設置とともに和漢診療室が設置され、1993年(平成5年)には医学部に和漢診療学講座が開設されました。初代寺澤捷年先生(1990年~2003年)、第2代嶋田豊先生(2003年~2023年)、そして2023年4月に私が第3代教授として着任いたしました。

和漢診療学とは、和漢薬・漢方薬に関する診療および研究を扱う学問領域です。基盤は日本の伝統医学である「漢方医学」ですが、「漢方医学と西洋医学の融合診療」ならびに「現代科学的研究」を行う使命も担っています。

現在、医学部の卒前教育において漢方医学教育が必須となっていますが、漢方医学を十分に実臨床に活かせている医師はまだまだ少ないと感じております。富山大学では卒業生がどの診療科を専門にするにしても漢方医学的な病態から漢方薬の処方選択をすることができることを卒前の目標に掲げ、東西医学の融合によるハイブリッドな診療ができる人材育成に力を注いで参ります。

一方で漢方医学的病態の科学的解明、漢方薬の効果・作用メカニズムの解明などこれまでも臨床的・基礎的研究を続けていますが、科学的な研究も立ち後れています。漢方薬は長い年月を過ぎても風化せず、現代においてもその効果を十分に発揮しています。その効果を科学的に証明することも漢方医学が現代医学の中でさらに役立つために必要なことであり、今後臨床および基礎研究を発展させていく所存です。

また診療においても富山大学附属病院の西洋医学的な最先端医療の提供に加え、当科では漢方医学的な視点から漢方治療を併用することで東西医学の融合による最良の医療を提供して参ります。

私は漢方医学と西洋医学の融合診療が超高齢社会を迎える日本が目指すべき医療であると確信しております。この信念をもって、これからより一層和漢診療学の診療・教育・研究に真摯に取り組む所存です。今後ともご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

教授貝沼 茂三郎

医局員のご紹介(2023年4月1日現在)

  • 貝沼 茂三郎

    • 医学部教授(診療科長)
    • 博士(医学)
    • 日本東洋医学会専門医・指導医
    • 日本内科学会総合内科専門医・指導医
    • 日本肝臓病学会専門医
    • 日本病院総合診療学会認定医・指導医
  • 藤本 誠

    • 医学部 准教授(医局長)
    • 博士(医学)
    • 日本東洋医学会漢方専門医・指導医
    • 日本内科学会総合内科専門医
    • 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
  • 渡り 英俊

    • 附属病院 助教(外来医長・病棟医長)
    • 博士(医学)
    • 日本東洋医学会漢方専門医
    • 日本内科学会総合内科専門医
  • 向野 晃弘

    • 附属病院 診療助手
    • 博士(医学)
    • 日本東洋医学会漢方専門医
    • 日本内科学会総合内科専門医
    • 日本神経学会神経内科専門医・指導医
  • 松山 圭

    • 病院特別助教
    • 博士(医学)
  • 藤川 未季

    • 附属病院 医員

講座の沿革

1975年 富山医科薬科大学 開学
1979年 附属病院 和漢診療室 設置
1983年 附属病院 和漢診療部 名称変更
1988年 WHO伝統医学協力センター 指定(現在に至る)
1990年 附属病院 和漢診療部 教授職(寺澤捷年教授)
1993年 医学部 和漢診療学講座 設置
2003年 医学部 和漢診療学講座 嶋田豊教授 就任
2004年 附属病院 和漢診療科 名称変更
2005年 富山県内3大学再編・統合 富山大学 名称変更
2006年 大学院再編 大学院医学薬学研究部 和漢診療学講座
2019年 教教分離による名称変更 医学部和漢診療学講座
2021年 附属病院 和漢診療科 貝沼茂三郎特命教授(診療科長)就任
2023年 医学部 和漢診療学講座 貝沼茂三郎教授 就任

同門会員(A会員)

  • 寺澤 捷年
  • 今田屋 章
  • 土佐 寛順
  • 檜山 幸孝
  • 三潴 忠道
  • 城石 平一
  • 伊藤 隆
  • 嶋田 豊
  • 松田 治己
  • 新谷 卓弘
  • 島田 多佳志
  • 霜田 ふゆみ
  • 高橋 宏三
  • 平林 多津司
  • 山本 樹
  • 喜多 敏明
  • 小林 豊
  • 塩谷 雄二
  • 柴原 直利
  • 古田 一史
  • 鎌田 晃彰
  • 後藤 博三
  • 小暮 敏明
  • 長坂 和彦
  • 渡辺 実千雄
  • 二宮 裕幸
  • 酒井 伸也
  • 引網 宏彰
  • 藤永 洋
  • 菊地一夫
  • 関矢 信康
  • 萬谷 直樹
  • 佐藤 伸彦
  • 谷川 聖明
  • 川俣 博嗣
  • 田原 英一
  • 新澤 敦
  • 南澤 潔
  • 笠原 裕司
  • 木暮 文恵
  • 巽 武司
  • 九鬼 伸夫
  • 小尾 龍右
  • 横山 浩一
  • 地野 充時
  • 野崎 和也
  • 八木 清貴
  • 古谷 陽一
  • 林 克美
  • 仙田 晶子
  • 中田 真司
  • 野上 達也
  • 村井 政史
  • 岡 洋志
  • 渡辺 哲郎
  • 福田 秀彦
  • 山本 佳乃子
  • 井上 博喜
  • 永田 豊
  • 山田 正明
  • 織田 聡
  • 深谷 良
  • 海老澤 茂
  • 金原 嘉之
  • 三澤 広貴
  • 北原 英幸

研究のご紹介

現在、主に次のようなテーマで、臨床・基礎研究を行っています。

和漢薬の微小循環改善作用のメカニズムの解明
・血液レオロジー、血管作動性、動脈硬化などに対する和漢薬の作用機構
和漢薬の細胞・臓器保護作用のメカニズムの解明
・虚血性神経障害、高血圧・糖尿病性臓器障害などに対する和漢薬の作用機構
和漢薬の免疫調整・生体防御作用のメカニズムの解明
・リウマチ性疾患、アレルギー性疾患、感染症などに対する和漢薬の作用機構

研究業績一覧

教育のご紹介(2023年度)

和漢医薬学入門 和漢診療学 医学薬学史 和漢診療学臨床実習 和漢診療学臨床実習(選択制)
医学部(医学科・看護学科)
薬学部(薬学科・創薬科学科)
2年次生
医学科3年次生 医学科4年次生 医学科5〜6年次生 医学科5〜6年次生
講義1回、体験実習5回 講義10回 講義8回 5日間(1人あたり) 4週間(1人あたり)