エコチル調査ってなあに?
エコチル調査って?
2010年度に環境省が始めた大規模な国家プロジェクトです。
環境中の化学物質が、子どもの健康にどのように影響するのかを明らかにし、「子どもたちが安心して健やかに育つ環境をつくる」ために行われています。
日本全国15か所の拠点で、10万組を超える親子に参加していただいている大規模な調査です。
富山大学は北陸で唯一の拠点となっています。
どこで行っている
調査なの?
富山県の調査対象地域は 富山市・滑川市・魚津市・黒部市・入善町・朝日町 です。
この6地区で参加者の募集を行い、現在は約5,600組の親子が参加しています。
※参加登録は2014年3月に終了いたしました。
日本全国では、コアセンター(国立環境研究所)、メディカルサポートセンター(国立成育医療研究センター)を中心として、富山を含め15のユニットセンターがあります。
また、数多くの医療機関、自治体、教育機関などからのご支援をいただいています。
全国のユニットセンター

疾患情報登録 協力医療機関
☆…エコチル調査参加リクルートにご協力いただいた医療機関です
富山市
- 富山大学附属病院 ☆
- 富山県立中央病院 ☆
- 富山赤十字病院 ☆
- 富山市民病院 ☆
- 富山県済生会富山病院 ☆
- 富山県リハビリテーション病院・
こども支援センター - 岡田産科婦人科病院 ☆
- 吉本レディースクリニック ☆
- かんすいこうえん
レディースクリニック ☆ - レディースクリニック細野 (閉院) ☆
- すざき子ども医院
- 八木小児科医院
- 上飯野小児科クリニック
- あそうクリニック
- 高重記念クリニック
滑川市
- 富山県厚生連滑川病院 ☆
黒部市
- 黒部市民病院 ☆
入善町
- あわの産婦人科医院 ☆
朝日町
- あさひ総合病院
高岡市
- 富山県済生会高岡病院
- 高岡市民病院
砺波市
- 市立砺波総合病院
石川県金沢市
- 金沢大学付属病院
- 金沢医科大学病院
なぜ調べているの?
近年、生活環境の変化により、子どもの健康にかかわるさまざまな問題が心配されています。
例えば、アトピー性皮膚炎やぜんそくなどのアレルギー疾患や、小児肥満等が増えてきたり、先天的な病気を持って生まれてくる子どもの比率も増加しています。
グラフ出典:環境省
子どもと環境に着目した
世界の取り組み
世界では、今…
- 1997年、先進8カ国の参加による子どもの環境保健に関する環境大臣会合が開催され、子どもの環境保健を最優先事項とする「マイアミ宣言」が採択されました。
- これを受けてアメリカでは、当時のクリントン大統領により「環境保健リスクと安全リスクに対する小児の保護」が発令され、欧州では、環境汚染から子どもを守るために必要な研究や施策を優先事項とすることが明確化されました。
- 現在、アメリカ、ノルウェー、デンマーク等では、子どもと環境をテーマとした大規模な国家プロジェクトが進められています。

出典:環境省
免疫系疾患
(小児ぜん息)の増加

代謝・内分泌系異常
(小児肥満)の増加

-
エコチル調査は、これらの背景に、環境中の化学物質がどのくらい影響しているかを解明するために始まりました。
この調査をもとに、
- 環境によっておこる病気を予防するしくみづくり
- 子どもが健やかに育つ環境をととのえる
などの成果が期待されています。
今の子どもたちだけでなく、未来の子どもたちにも大切な調査なのです。
どんな予定で
進んでいくの?
- 参加者さんの募集・登録…3年
- 質問票などの追跡調査…13年
- 集められたデータの解析期間…5年
…トータルで21年間にも及ぶ調査です。

どんなことを
調査するの?
お子さんやご両親のことを最優先に考えながら進めていきます。

詳細調査
詳細調査は、全国10万組以上の全体調査参加者の中から、無作為に選ばれた約5000組の親子を対象に、質問票調査だけでは得られない身の回りの化学物質について調べたり、お子さんの健康と生活環境についての情報をより詳しく得るために行われている調査です。この調査は、お子さんが13歳になるまでの間、継続的に行っていきます。
富山ユニットセンターでは、2013年4月~2014年11月生まれの271名の方に参加・ご協力をいただき、現在、10歳時の医学的検査と精神発達検査が実施されています。
内容と実施時期
検 査 | 内 容 | 実施時期 |
---|---|---|
訪問調査 | 住環境や生活環境についての調査 | 1歳半、3歳時 |
医学的検査 | お子さんの健康状態や成長についての調査 | 2歳、4歳、6歳、8歳、10歳、12歳時 |
精神神経発達検査 | お子さんの発達についての調査 | 2歳、4歳、8歳、10歳、12歳時 |