研究内容 of 富山大学分子神経科学講座




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これまでの研究

記憶・学習の分子機構解析を目的に、グルタミン酸受容体 (以下GluRと記す)チャネル分子に焦点を当て、遺伝子ノックアウトマウスの作成と解析を行ってきました。その結果、GluRチャネルのサブユニットが記憶・学習、シナプス可塑性、神経回路発達、神経細胞死等に深く関わることを見出しました。
また、遺伝的背景が行動に影響を与えることから、マウスを行動学的データが豊富にあり学習に優れたC57BL/6系統に統一し、それらを用いたマウス解析システムを、東京大学大学院医学系研究科の三品昌美教授、新潟大学脳研究所の崎村建司教授と共に確立しました。このシステムにより、世界標準データの提供が可能な遺伝子ノックアウトシステムを構築しました。
このシステムを用い、最近、脳内D-セリンが神経細胞で合成され、NMDA型GluRを介して神経細胞死に関わることを明らかにしました。




C57BL/6マウス

これからの研究

1)認知・情動・社会性の分子機構

  • 前頭前野、扁桃体、視床など認知・情動の中心となる脳部位特異的遺伝子操作マウスを作製して個体レベルで行動学的解析を行い認知・情動過程と発達に与える影響を明らかにします。また、行動変化の基盤となっている遺伝子発現、蛋白質修飾等を明らかにします。
  • また、遺伝子操作マウスなどを病態モデルマウスとして評価し、精神神経疾患の治療に道を拓く研究を行います。

2)生体マウス脳内での分子イメージング

  • 記憶現象の分子メカニズムが、培養細胞レベルで明らかになってきました。しかし、個体レベルでの記憶形成との連関は直接証明されていません。そこで複数の最新技術を融合することにより、生きたマウスの脳内で特定のタンパク質の挙動を計測する技術の確立を目指します。この研究によって、記憶形成にかかわるタンパク質の挙動と、個体レベルでの記憶形成の連関を直接証明するとともに、病因解析技術などへの応用の可能性を探ります。

3)免疫系による脳機能修飾機構の解析

  • 神経機能分子に対する自己抗体の検出と解析を行い、免疫系と神経系の相互作用が脳機能に与える影響を明らかにします。