小学2年生のお子さんってどんな日焼け対策をしているの?日光による皮膚トラブルと予防法の実態:エコチル調査の追加調査の結果より
研究の内容
子どもは大人よりもはるかに多くの日光を浴びていることが知られています。しかし、日光による皮膚トラブルがどのくらいの頻度で発生しているのか、予防対策は取っているのか? について、ほとんどわかっていません。本研究では、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」における小学2年生の身体検査(学童期検査)に来場した親子を対象に、日光による皮膚トラブルの発生と予防対策の実態をアンケート調査しました。このアンケートには母親が回答し、1,691名のお子さんに関する回答が得られました。
日光を浴びたときの皮膚の反応には個人差があります。皮膚科では、日光を浴びたときに赤くなりやすいか、黒くなりやすいかによって「フィッツパトリックのスキンタイプ」に分類することがあります。本研究ではタイプⅡ~Ⅳの3タイプについて調べました。
- タイプII:色白の肌。赤くなりやすく、少しだけ黒くなる。
- タイプIII:標準的な肌。少し赤くなるが、しっかり黒くなる。
- タイプIV:少し濃い肌。赤くなりにくく、よく黒くなる。
本研究では、上記分類によるお子さんのスキンタイプや日光を浴びた後に起こる症状、日焼け対策などを尋ねました。
主な結果
対象となったお子さんのうち、6.4%が日光を浴びた後に何らかの皮膚症状(例:チクチク感・ヒリヒリ感、かゆみ、水疱、紅斑、腫れ)を発現していました。そのうち8人(全体では0.5%)は、医師から「光線過敏症」と診断され、平均で3歳ごろに診断がついていました。
スキンタイプは、タイプIII「標準的な肌。少し赤くなるが、しっかり黒くなる。」が約6割と最も多くみられました。

長時間外出する際に常に日焼け止めを使用する子は7%で、時々使用する子が6割でした。屋外プールに行く際は、4割が日焼け止めを使用し、6割がラッシュガードを着用していました。7割のお子さんは少なくとも1つの日焼け対策を講じていました。
長時間外出する際の日焼け止め使用や、屋外プールで何らかの日焼け対策をすることはスキンタイプと関連していました。また、日光を浴びた後に皮膚症状が出る子や女の子では、屋外プールで日焼け対策をする割合が高いことがわかりました。
考察
今回調査した小学2年生のお子さんのうち、6.4%に日光を浴びた後の皮膚症状がみられましたが、それまでに医師から光線過敏症と診断されていたお子さんは全体の0.5%でした。日光を浴びた後の皮膚症状は4月から10月に多く見られました。これは日本で紫外線が強まり、屋外で過ごす時間が増える時期と一致しています。
そして、長時間外出時には約7割が日焼け止めを常に、または時々使用していました。また、屋外プールでは約7割が少なくとも1つの日焼け対策をしており、ラッシュガードの着用が最も多くみられました。
日焼け対策は赤くなりやすいスキンタイプの子、日光を浴びた後に皮膚症状が出る子、そして女の子で多くみられました。女の子で対策が多い背景には、肌への関心の高さといった要因が考えられますが、今回の調査では直接確かめていません。
一方で気になったのは、日光を浴びた後に皮膚症状が出た子の多くが、診断がついていないことです。こうした症状の中には、通常の日焼けによるものも含まれると考えられますが、一部にはまだ診断されていない軽い光線過敏症が含まれる可能性もあります。気になる症状がくり返される場合は、皮膚科への相談をおすすめします。
この研究の限界
本調査は母親のアンケートにもとづくもので、症状の程度までは評価していません。また富山県の一地域で行われた調査のため、日本の子ども全体にそのまま当てはまるとは限りません。

この研究成果は医学系専門誌「Acta Dermato-Venereologica」に2026年4月28日に公開されました。
エコチル調査富山ユニットセンター
2026年9月
ちょっと詳しく
光線過敏症
光線過敏症とは、多くの人には問題にならない程度の日光を浴びただけで、赤みや発疹、かゆみなどの異常な皮膚反応が起こる状態です。薬や特定の病気、体質などが原因になることがあり、原因に応じた診断と対策が必要です。