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富山大学医学部公衆衛生学講座
Department of Public Health, Faculty of Medicine, University of Toyama

研究内容RESEARCH

 ◆エコチル調査とは
  2010年度より,3年間で全国10万人の妊婦さんに御協力をいただき,生まれたお子さんが13歳に達するまでフォローする「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」がスタートしました(環境省 エコチル調査ホームページ)。エコチル調査は,妊娠中や出生後早い時期の環境要因が,子どもたちの成長や発達にどのような影響を及ぼすかについて明らかにすることを目的としています。  子どもの発育は化学物質をはじめとする様々な環境要因の影響を受け,子どもは大人よりも環境要因に対する感受性が高いことが知られています。とりわけ胎児や乳幼児の臓器は脆弱であり,外的因子に感受性が高いため,環境要因により種々の健康影響を受けやすくなっています。  エコチル調査は,わが国においてこれまでみられなかった規模で行う大規模な出生コホート研究です。化学物質の曝露や生活環境が,胎児期から小児期にわたる子どもの健康にどのような影響を与えているかについて明らかにし,化学物質等の適切なリスク管理体制の構築につなげることを目的としています。
 ◆わが国の小児環境に対する取組み
  子どもの環境保健については,2007年10月「小児環境保健疫学調査に関する検討会」において検討が開始されました。これを受け,2008年4月に「小児環境保健疫学調査に関するワーキンググループ」が設置され,新たな疫学調査の立ち上げについて検討が重ねられました(図1)。  2010年度から,調査の中心となるコアセンターを国立環境研究所におき,全国各地に15のユニットを設置し,3年間で10万人の妊婦さんを登録し,生まれた子どもが13歳に達するまでフォローするエコチル調査がスタートすることになりました(図1図2図3)。
 ◆エコチル調査の目的
  エコチル調査全体の大きな仮説は,「胎児期から小児期にかけての化学物質曝露をはじめとする環境因子が,子どもたちの成長や発達に影響を与えているのではないか」というものです。この仮説を検証するために,化学物質への曝露以外の環境要因,遺伝要因,社会要因,生活習慣要因等の交絡因子・修飾因子についても併せて評価を行います。エコチル調査を実施するユニットセンターは,北海道から九州・沖縄まで,日本全国に幅広く15ヶ所が設置され,富山大学もユニットセンターのひとつに選定されています(図4)。   エコチル調査の目的は,環境要因が子どもの健康に与える影響を明らかにすることにあります。エコチル調査の成果を,環境政策に反映させることにより,真に安心・安全な子育て環境を実現し,ひいては少子化対策にも結びつけることが期待されます。
 ◆図の説明
 図1 エコチル調査の概要・スケジュール

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 図2 エコチル調査の進め方

 
 図3 エコチル調査の実施体制

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 図4 全国15ヶ所のエコチル調査ユニットセンター一覧



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