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2. 職位による身体的・精神的健康度の違い:睡眠からの説明

 一般に、職位(職場での階級)が高いほど睡眠の質と身体的・精神的健康度が高いことが知られていますが、本研究では職位による健康度の違いを睡眠によって説明できるかどうかを明らかにすることを目的としました。
 日本の男性公務員について分析した結果、管理職と一般職の間で身体的健康度スコアの差は1.9点でしたが、これを睡眠スコアで調整すると1.5点に縮小しました。同様に、精神的健康度スコアの差は3.4点でしたが、これを睡眠スコアで調整すると2.0点に縮小しました。一方女性では、職位による健康度の差は男性よりも小さく、また睡眠スコアで調整してもほとんど変化はありませんでした。この結果から、日本の男性では、睡眠が職位と身体的・精神的健康度との関連を仲介する役割を果たしていることが示されました。女性の場合、もともと職位と健康度との関連が弱いことと、職位と健康度の関連を仲介する上での睡眠の役割が男性の場合とは異なることが、男性と違う結果につながったと考えられます。

職位による身体的・精神的健康度の違い

職位I:管理職 職位II:中間管理職 職位III:一般職
出典:Sekine et al., Journal of Public Health 2006.

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