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3. 職位と性別による睡眠の質の違い:仕事と家庭の特性からの説明

 一般に、職位が高いほど睡眠の質が高く、また女性よりも男性の方が睡眠の質が高いことが知られていますが、本研究ではこの違いを仕事および家庭の特性によって説明できるかどうかを明らかにすることを目的としました。
 日本の男性公務員について分析した結果、睡眠の質の低さは管理職と比較して一般職で1.64倍でしたが、これを仕事と家庭の特性で調整すると1.26倍に縮小しました。一方女性では、職位と睡眠の質の間に関連は見られませんでした。また、男性と比較して女性の睡眠の質の低さは1.75倍でしたが、これを仕事と家庭の特性で調整すると1.04倍に縮小しました。この結果から、男性における職位による睡眠の質の違いと、男女の睡眠の質の違いは、仕事および家庭の特性によって部分的に説明できることが示されました。
 本研究では、仕事の特性として、裁量度(自分で決められること)、要求度(やらなければならないこと)、支援度(周囲から助けてもらえること)、労働時間などについて調べました。また家庭の特性として、仕事による家庭生活への圧迫、家庭生活による仕事への圧迫などについて調べました。その結果、これらの要因が睡眠の質に関連していることがわかりました。したがって、職位と性別による睡眠の質の差を縮めるためには、上記のような仕事・家庭要因を改善することが重要だと考えられます。

管理職を基準にしたときの、睡眠の質の低さ

左図:管理職を基準にしたときの、睡眠の質の低さ
職位I:管理職 職位II:中間管理職 職位III:一般職
右図:男性を基準にしたときの、女性の睡眠の質の低さ
出典:Sekine et al., SLEEP 2006.

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