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富山スタディとは?目次へ

小児を取り巻く社会環境や生活環境は大きく変化しています。戦後、社会経済状況や栄養状態の改善などに伴って、子どもの体格は大幅に向上しましたが、体力はむしろ低下傾向にあることが知られています。この原因としては、生活が便利になったこと、少子化により近所に同年代の子どもがいないこと、近年では犯罪などにより町の安全が脅かされていることなどにより、日常的に運動する機会がなくなってきたことが考えられます。また、様々なメディアの発達により、様々なメディアとの接触時間が増加した反面、相対的に運動時間が減ってきていることも指摘されています。食習慣では、食の欧米化により、総カロリーに占める脂質の摂取割合が増加しており、こうした生活習慣の変化が小児期の肥満や生活習慣病の増加に結びついているとされます。実際、小児肥満の割合は1970年代は3%程度でしたが、1990年代以降10%以上にまで増加しています。

小児肥満には、高血圧、高脂血症、高血糖症、高尿酸血症、高インスリン血症、交感神経活動の亢進などの生物学的な変化を伴いやすいことが知られています。また、小児期に肥満であった人の40%以上は、成人期においても肥満であること、成人期の肥満の治療は難しいこと、小児肥満の長期予後は全死亡・循環器疾患死亡などにおいて悪いことが知られています。したがって、小児肥満の原因となる社会家庭環境や生活習慣を明らかにするとともに、小児期からの予防対策が必要であるといえます。また、小児期の問題としてメンタルヘルスの問題は特に近年では重要視されてきています。

小児期の心身の健康や成人期における健康の維持増進のためには、一生涯にわたる健康維持および増進が必要であるとのことから、欧米諸国を中心に“ライフコース医学”と呼ばれる医学が注目されるようになりました。こうした状況の中で、小児期の生活習慣を把握するとともに、生活習慣と心身の健康との関係を調査することを目的として、富山スタディは開始されました。富山スタディでは、平成元年度生まれで、調査時期に富山県在住の全児童約1万人を対象としています。第1回調査は、対象者が3歳児健診の時に実施しました。以降、3年毎に、県内の各小中高等学校のご協力を得て調査が実施されています。

このホームページは、富山スタディで得られた知見を広く一般の方に紹介することにより、子どもの望ましい生活習慣の確立と健康増進に資することを目的としています。

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