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運動習慣とエネルギー消費量目次へ

【目的】

小児肥満は遺伝的な影響が強いとされるが、近年の急激な増加の背景には、脂質に富む食事が多くなったことや、テレビの視聴時間の増加や運動不足などの体を動かさない生活習慣の増加が背景にあると考えられている。子どもの運動習慣は、成人期のスポーツ種目を中心とした運動習慣とは異なり、「鬼ごっこ」のような遊びを中心とした運動も多い。そのため、成人と比較して運動習慣の評価が難しい。そこで、消費カロリーを計測できる万歩計による運動習慣の評価とともに、「運動の好き嫌い」や「運動時間」によって小学1年時の消費カロリーが異なるか評価することを目的とした。

1)運動の好き嫌いと1日のエネルギー消費量

好きでないと回答した男児は、運動による消費量が128.4kcal、総消費量が1,630kcalであり、好きと回答した男児は、運動による消費量が191.1kcal、総消費量が1,722kcalであったが、とても好きと回答した男児は、運動による消費量が208.1kcal、総消費量が1,855kcalと、とても好きと回答した男児の運動による消費量、総消費量が多かった。(図:運動の好き嫌いと1日のエネルギー消費量

2)身体活動性と1日のエネルギー消費量

活発でないと回答した男児は、運動による消費量が142.9kcal、総消費量が1,586kcalであり、ふつうと回答した男児は、運動による消費量が188.4kcal、総消費量が1,784kcalであったが、活発と回答した男児は、運動による消費量が205.3kcal、総消費量が1,852kcalと、活発と回答した男児の運動による消費量、総消費量が多かった。(図:身体活動性と1日のエネルギー消費量

3)運動時間と1日のエネルギー消費量

運動時間が30分未満の男児は、運動による消費量が136.7kcal、総消費量が1,683kcal であり、30分〜1時間の男児は、運動による消費量が184.7kcal、総消費量が1,726kcalであったが、1時間以上の男児は、運動による消費量が205.3kcal、総消費量が1,795kcalと、運動時間が1時間以上の男児の運動による消費量、総消費量が多かった。(図:運動時間と1日のエネルギー消費量

【考察】

今回の調査から、運動習慣の評価において、運動が好きである人ほど、同級生と比較して活発であると回答した人ほど、運動時間が長い人ほど、運動による消費カロリーが高く、総消費カロリーも高いことがわかった。運動好きの子どもを増やすことや、運動時間を増やすことは、運動による消費カロリーの増加と肥満の減少に寄与できる可能性があると考えられる。

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