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生活習慣の変化と小児肥満目次へ

【目的】

小児期の生活習慣は成長や社会環境の変化に伴って変化すると考えられる。そこで、小学1年から4年時の生活環境・生活習慣の変化と児童の肥満との関連性について評価することを目的とした。

1)生活環境(父の肥満)の変化と男児の肥満

調査期間中、父親が変わらず非肥満である男児の中で肥満の男児は8.3%、父親が肥満から非肥満に変化した男児の中で肥満の男児は19.0%、父親が非肥満から肥満に変化した男児の中で肥満の男児は12.9%、父親が変わらず肥満である男児の中で肥満の男児は16.5%と、父親が肥満から非肥満に変化した男児に肥満が多かった。(図:生活環境(父の肥満)の変化と男児の肥満

2)生活環境(父の肥満)の変化と女児の肥満

調査期間中、父親が変わらず非肥満である女児の中で肥満の女児は5.6%、父親が肥満から非肥満に変化した女児の中で肥満の女児は9.4%、父親が非肥満から肥満に変化した女児の中で肥満の女児は4.8%、父親が変わらず肥満である女児の中で肥満の女児は11.8%と、父親が変わらず肥満である女児に肥満が多かった。(図:生活環境(父の肥満)の変化と女児の肥満

3)生活環境(母の肥満)の変化と男児の肥満

調査期間中、母親が変わらず非肥満である男児の中で肥満の男児は9.6%、母親が肥満から非肥満に変化した男児の中で肥満の男児は11.7%、母親が非肥満から肥満に変化した男児の中で肥満の男児は27.5%、母親が変わらず肥満である男児の中で肥満の男児は18.2%と、母親が非肥満から肥満に変化した男児に肥満が多かった。(図:生活環境(母の肥満)の変化と男児の肥満

4)生活環境(母の肥満)の変化と女児の肥満

調査期間中、母親が変わらず非肥満である女児の中で肥満の女児は6.0%、母親が肥満から非肥満に変化した女児の中で肥満の女児は10.4%、母親が非肥満から肥満に変化した女児の中で肥満の女児は12.0%、母親が変わらず肥満である女児の中で肥満の女児は14.9%と、母親が変わらず肥満である女児に肥満が多かった。(図:生活環境(母の肥満)の変化と女児の肥満

5)生活習慣(朝食摂取)の変化と男児の肥満

調査期間中、変わらず朝食を食べる男児の中で肥満の男児は10.2%、「食べない」から「食べる」に変化した男児の中で肥満の男児は6.9%、「食べる」から「食べない」に変化した男児の中で肥満の男児は6.9%、変わらず食べない男児の中で肥満の男児は35.7%と、変わらず朝食を食べない男児に肥満が多かった。(図:生活習慣(朝食摂取)の変化と男児の肥満

6)生活習慣(朝食摂取)の変化と女児の肥満

調査期間中、変わらず朝食を食べる女児の中で肥満の女児は6.3%、「食べない」から「食べる」に変化した女児の中で肥満の女児は17.2%、「食べる」から「食べない」に変化した女児の中で肥満の女児は24.1%、変わらず食べない女児の中で肥満の女児は33.3%と、変わらず朝食を食べない女児に肥満が多かった。(図:生活習慣(朝食摂取)の変化と女児の肥満

7)生活習慣(間食摂取)の変化と男児の肥満

調査期間中、変わらず間食をよくする男児の中で肥満の男児は10.2%、「ほとんどしない」から「よくする」に変化した男児の中で肥満の男児は16.0%、「よくする」から「ほとんどしない」に変化した男児の中で肥満の男児は8.9%、変わらずほとんどしない男児の中で肥満の男児は10.5%と、間食を「ほとんどしない」から「よくする」に変化した男児に肥満が多かった。(図:生活習慣(間食摂取)の変化と男児の肥満

8)生活習慣(間食摂取)の変化と女児の肥満

調査期間中、変わらず間食をよくする女児の中で肥満の女児は6.7%、「ほとんどしない」から「よくする」に変化した女児の中で肥満の女児は5.0%、「よくする」から「ほとんどしない」に変化した女児の中で肥満の女児は7.0%、変わらずほとんどしない女児の中で肥満の女児は7.5%と、変わらず間食をほとんどしない女児に肥満が多かった。(図:生活習慣(間食摂取)の変化と女児の肥満

9)生活習慣(身体活動性)の変化と男児の肥満

調査期間中、変わらず活発であると回答した男児の中で肥満の男児は8.7%、「活発でない」から「活発」に回答が変化した男児の中で肥満の男児は7.1%、「活発」から「活発でない」に回答が変化した男児の中で肥満の男児は18.3%、変わらず活発でないと回答した男児の中で肥満の男児は13.9%と、「活発」から「活発でない」に回答が変化した男児に肥満が多かった。(図:生活習慣(身体活動性)の変化と男児の肥満

10)生活習慣(身体活動性)の変化と女児の肥満

調査期間中、変わらず活発であると回答した女児の中で肥満の女児は5.6%、「活発でない」から「活発」に回答が変化した女児の中で肥満の女児は4.9%、「活発」から「活発でない」に回答が変化した女児の中で肥満の女児は11.3%、変わらず活発でないと回答した女児の中で肥満の女児は8.6%と、「活発」から「活発でない」に回答が変化した女児に肥満が多かった。(図:生活習慣(身体活動性)の変化と女児の肥満

11)生活習慣(テレビ視聴時間)の変化と男児の肥満

1日のテレビ視聴時間について、2時間未満を「短い」、2時間以上を「長い」にしたとき、調査期間中、変わらず短い男児の中で肥満の男児は8.2%、「長い」から「短い」に変化した男児の中で肥満の男児は9.6%、「短い」から「長い」に変化した男児の中で肥満の男児は13.6%、変わらず長い男児の中で肥満の男児は14.2%と、1日のテレビ視聴時間が変わらず長い男児に肥満が多かった。(図:生活習慣(テレビ視聴時間)の変化と男児の肥満

12)生活習慣(テレビ視聴時間)の変化と女児の肥満

1日のテレビ視聴時間について、2時間未満を「短い」、2時間以上を「長い」にしたとき、調査期間中、変わらず短い女児の中で肥満の女児は4.9%、「長い」から「短い」に変化した女児の中で肥満の女児は9.1%、「短い」から「長い」に変化した女児の中で肥満の女児は9.5%、変わらず長い女児の中で肥満の女児は7.4%と、1日のテレビ視聴時間が「短い」から「長い」に変化した女児に肥満が多かった。(図:生活習慣(テレビ視聴時間)の変化と女児の肥満

13)生活習慣(睡眠時間)の変化と男児の肥満

睡眠時間について、8時間未満を「短い」、8時間以上を「長い」にしたとき、調査期間中、変わらず短い男児の中で肥満の男児は11.5%、「長い」から「短い」に変化した男児の中で肥満の男児は12.0%、「短い」から「長い」に変化した男児の中で肥満の男児は11.1%、変わらず長い男児の中で肥満の男児は9.3%と、睡眠時間が「長い」から「短い」に変化した男児に肥満が多かった。(図:生活習慣(睡眠時間)の変化と男児の肥満

14)生活習慣(睡眠時間)の変化と女児の肥満

睡眠時間について、8時間未満を「短い」、8時間以上を「長い」にしたとき、調査期間中、変わらず短い女児の中で肥満の女児は10.3%、「長い」から「短い」に変化した女児の中で肥満の女児は7.6%、「短い」から「長い」に変化した女児の中で肥満の女児は8.8%、変わらず長い女児の中で肥満の女児は5.1%と、睡眠時間が変わらず短い女児に肥満が多かった。(図:生活習慣(睡眠時間)の変化と女児の肥満

【考察】

望ましい生活習慣を継続した場合に肥満発生のリスクは最小となり、望ましくない生活習慣を継続した場合に肥満発生のリスクは最大となった。また、調査期間中に望ましくない生活習慣を含む場合は中間のリスクとなった。以上から、望ましい生活習慣を継続することが、小児肥満の予防に重要であると考えられる。

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