献体とは

献体とは、医学・歯学の大学における教育・研究のために
自らの遺体を無条件・無報酬で提供する篤志行為です。

献体の意義
 献体の最大の意義は、みずからの遺体を提供することによって、医学の教育・発展に参加し、次の世代の人達に役立つために、学識・人格・技量ともに優れた医師・歯科医師を養成するための礎となることにあります。(日本篤志献体協会「献体とは」から抜粋)

解剖の種類
 解剖には大きく分けて次の3種類があります。
① 正常解剖(系統解剖)
教育や研究を目的として、人体の正常な構造を知るために行われる解剖
② 病理解剖
病態の解明、治療の効果の判定等を目的に行われる解剖
③ 法医解剖
死亡原因やその状況を司法上・行政上明らかにするために行われる解剖
 献体により行われる解剖は①の正常解剖となります。
 近年では、献体を用いた臨床医による解剖も行われています。(詳細は下記「手術手技研修、卒後教育等について」を参照)

献体篤志家団体について
 生前に献体を申し出られた方々の団体として、北海道から沖縄まで現在62団体が存在しており、献体をされた方は152,795名に達しています(令和4年3月31日現在)。

 富山県においては富山大学しらゆり会があり、富山大学と連携しています。富山大学しらゆり会からは、これまで1,643名の方が献体され(令和5年3月31日現在)、人体解剖学の実習・研究及び医の倫理教育へ大きな貢献をされています。

手術手技研修・卒後教育等について

 近年、高度化する医療現場において、最前線で活躍する医師・医療スタッフ、教育スタッフ等に、ますます高度な卒後教育や研修が求められてきています。それらに対応するため献体を利用した「実践的な手術手技向上研修(Cadaver Surgical Training、以下CST)」が行われており、学生実習以外に献体を必要とする機会が増えてきています。
 CSTは、死体解剖保存法の範囲で行われるもので、献体の本来の目的を損なうことはありません。また、これらに利用される献体は本人と遺族の承諾が必須のため、CSTでの利用を望まない方は、従来通り学生実習のみに使用されます。