NAD代謝と神経変性疾患に関する英文総説がNutritional NeuroscienceにオンラインでPublishされました

NAD代謝と神経変性疾患に関する英文総説をNutritional Neuroscience誌に執筆しました。NAD代謝の神経保護作用については、Wallerian変性が著明に遅延するWallerian degeneration slowマウス(Wldsマウス)の発見から盛んに研究されています。Wldsマウスは、ユビキチン化酵素Ube4bのN末端側70アミノ酸残基分をコードする遺伝子とNAD合成酵素Nmnat1の全長遺伝子の融合遺伝子であるWlds遺伝子がタンデムに挿入された自然発症マウスであり、神経軸索変性メカニズムにはNAD代謝が深く関与していると考えられています。一方で、Nmnat1は、Leber congenital amourosis 9(LCA9)の原因遺伝子としても報告されており、NAD代謝は様々な網膜変性疾患とも関連があることが示唆されています。本論文では、NAD代謝と軸索変性、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患について概説するとともに、緑内障やLCA9などの網膜変性疾患との関連についても記載しています。興味のある方は是非読んでみて下さい。

Nutritional Neuroscience 誌サイト上の本論文へのリンク
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/1028415X.2019.1637504

2019年07月09日