夜久講師の論文がScience Advancesに掲載されました

NAD前駆体であるニコチンアミドリボシド(NR)やニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の生体内代謝を解明した論文がScience Advancesにオンラインでpublishされました。夜久圭介講師、サイリッシュ パリキヒ大学院生(当時)が中心になって行なった本研究では、経口投与されたNAD前駆体からNADへの合成には、腸内細菌が必要であること。また、静脈投与されたNAD前駆体も、そのままNAD合成に利用されるのではなく、一旦胆汁を介して腸管内に分泌され、腸内細菌で代謝を受けた後に再吸収されて肝臓でNAD合成に利用される「腸肝循環」とよばれる機構が関わっていることを発見しました。これらの研究成果は、NRとNMNの生体内での利用経路が従来予想されていたものよりもかなり複雑であることを示しており、これらの前駆体を用いた臨床研究を進める上で非常に重要な知見であると考えられます。

Yaku K, Palikhe S, Iqbal T, Hayat F, Watanabe Y, Fujisaka S, Izumi H, Yoshida T, Karim M, Uchida H, Nawaz A, Tobe K, Mori H, Migaud ME, Nakagawa T. Nicotinamide riboside and nicotinamide mononucleotide facilitate NAD+ synthesis via enterohepatic circulation. Sci Adv.11(12): eadr1538. (2025)

2025年03月23日