富山大学 学術研究部医学系(医学部 精神看護学講座)

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精神看護関連の科目

精神看護学総論 (2年後期:2単位)
精神看護論 (3年通年:2単位)
精神臨床医学 (3年後期:1単位)
精神看護実習 (4年通年:3単位)

精神看護学総論

精神的健康(メンタル&スピリチュアル・ヘルス)の保持・増進に向けて,基本的な知識・技能・態度を習得する。

  1. 人間の健康を「身体的」「社会的」「心理的」「神気的(私的スピリチュアル)/霊的(包括的スピリチュアル)」な視点からとらえ,障害や病も生活を構成する因子の1つであることを説明できる。
  2. 精神障害は悩みや葛藤の延長線上にあり,人生のプロセスと切り離せないものであることを説明できる。
  3. 抑うつ予防モデルについて説明できる。
  4. 対象関係論支援的関係)について説明できる
  5. 人格形成が母子関係を基盤として,その後の他者との出会い体験を通しながら作り上げられるものであることを説明できる。
  6. 不安,万能感,満足感という感情形成(情緒体験のルーツ)を説明できる。
  7. 相互補完的な対人関係のありようを説明できる。
  8. 人生初期の母子関係における挫折体験がもたらすこころのありようを説明できる。
  9. 人間の成長発達やライフイベントに伴うストレスが精神的健康に及ぼす影響について説明できる。
  10. 危機に対する反応とプロセスについて説明できる。
  11. 日本と欧米の精神医療の変遷とそれぞれの時代における特色について説明できる。
  12. 日本における精神医療に関する法の変遷と現在の精神医療の問題点について説明できる。

精神看護論

精神看護学総論で学んだことをベースにして,精神的健康面への看護(メンタル&スピリチュアル・ヘルス・ナーシング)が展開できるようになるために,基本的な知識・技能・態度を習得する。

  1. 症状や状態によってもたらされる生活の変化の把握と看護について説明できる。
  2. 精神医療における治療の考え方を説明できる。
  3. 精神科治療に関わる療法の特徴と各障害への適応を説明できる。
  4. 嗜癖,依存と反社会的行動との関連について説明できる。
  5. 対象を全人的に把握するために必要な系統的情報の内容を説明できる。
  6. 精神的に障害をもつことにより引き起こされる日常生活行動のレベルについて説明できる。
  7. 対象関係の中で生じてくる葛藤や問題を個々人の生育歴と照らし合わせながら説明できる。
  8. 精神科における援助の特徴・意義およびその具体的な方法論について説明できる。
  9. 「統合失調症(急性期・慢性期)」「うつ病」「神経症」「パーソナリティ障害」の特徴について説明できる。
  10. 医療における患者の権利や処遇をめぐる問題と精神障害者をめぐるアドボカシ―について説明できる。
  11. 精神科病棟の特徴と入院する精神障害者のもつ問題および基本的援助について説明できる。
  12. 治療的環境について説明できる。
  13. 精神医療におけるリハビリテーションについて説明できる。
  14. リハビリテーションに関わるサポートシステムについて説明できる。
  15. 精神病理と同時に,その人の健康な部分へ関わることの重要性について説明できる。
  16. 人間関係の中に成長と治療の要因があることを説明できる。
  17. 指示されたすべての演習課題を遂行し提示できる。

精神臨床医学

精神障害の症状,分類,診断,治療およびリハビリテーションなどに関する臨床医学の主要専門領域である精神医学について,特に看護の面から必要とされる知識の習得をする。
精神医学全般について,看護者として求められる最低限の知識を身につける。

精神看護実習

対象者との援助関係を築きながら看護ケアを展開する力を養い,「チーム医療の中での看護師の役割」「対象者の生活環境」「精神科治療」「地域精神保健福祉」の実際について学ぶ。

  1. 「身体的」「社会的」「心理的」「神気的(私的スピリチュアル)」な次元から,対象者を理解する。
    1. 発達段階を考慮して「セルフケア」の観点からアセスメントできる。
    2. 「こころ」や「からだ」の障害(病)がセルフケア行動へ及ぼす影響をアセスメントできる。
    3. 健康な面と不健康な面(『良好な局面』『不良な局面』)をアセスメントできる。
  2. 時間(これまで−このいま−これから)の流れの中にいる,生活者としての対象者を理解する。
    1. 対象者の「(客観的)生活環境」「(相互主観的)生活世界」をアセスメントできる。
    2. 対象者に及ぼしている,現病入院歴や入院生活の影響をアセスメントできる。
    3. 対象者に及ぼしている,社会的役割や家族関係の影響をアセスメントできる。
  3. 援助的コミュニケーション技術を使って看護ケアを実践する。
    1. 自己洞察と対象者理解について,プロセスレコードとして記述できる。
    2. 看護過程モデルにそった一貫性のある看護ケアを計画・実施し評価できる。
    3. 対象者の今後の生活に向けて,社会資源を活用した看護ケアを提案できる。
  4. 精神科治療機関や地域で行われている総合的アプローチを理解する。
    1. 対象者の治療に必要な医療チームとそのあり方について説明できる。
      • ◇対象者の治療に必要な専門スタッフとその役割について説明できる。
      • ◇チーム医療の考え方とその役割について説明できる。
    2. 地域精神保健福祉の考え方とそのあり方について説明できる。
      • ◇地域精神保健福祉の中で果たす看護師の役割について説明できる。
      • ◇精神医療に必要な関係法規(障害者基本法,精神保健福祉法等)について説明できる。
      • ◇地域精神保健活動における社会資源(治療継続の場,障害者自立支援法に伴うサービス,社会復帰施設,働くための施設,雇用・就労支援,家族会等)の活用について説明できる。