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診療内容

 泌尿器科は尿路系、男性生殖器および副腎を含む後腹膜腔の各種疾患を対象としています。尿路性器腫瘍、男性不妊、性機能障害、男性更年期障害、神経因性膀胱、腎移植、尿路結石症などの多彩な分野の診療を行っています。当院の専門外来として、前立腺外来、メンズヘルス外来(性機能障害、男性更年期障害)、不妊・内分泌外来、神経因性膀胱・排尿障害外来を設けています。また最近、女性泌尿器科の需要も高まってきており、当科においても過活動膀胱、尿失禁、骨盤臓器脱などに対しての診療に力を入れています。

 特に力を入れている分野としては、尿路性器悪性腫瘍(副腎がん、腎がん、膀胱がん、腎盂・尿管がん、前立腺がん、精巣腫瘍、陰茎がん、悪性軟部腫瘍など)、腹腔鏡手術、メンズヘルス、腎移植、男性不妊症が挙げられます。

尿路性器悪性腫瘍に対する治療

 腎がんに対しては、ロボット支援腹腔鏡下腎摘除術やロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術など低侵襲手術を積極的に行っています。切除不能または転移を有する場合は最新の免疫療法や分子標的療法などを行っています。
 膀胱がんに対しては、内視鏡手術(TUR)に加えてロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘除術を実施し、尿路変向として自排尿型回腸新膀胱や回腸導管などの再建を行っています。Second TURも診断、治療に応用しています。 筋層浸潤性膀胱がんに対しては手術療法のほか、放射線療法や薬物療法を組み合わせた集学的治療を実施しています。
 前立腺に留まっている限局性前立腺がんに対しては、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を中心に、放射線療法(高線量率組織内照射、IMRTなど)や監視療法など患者さんに合わせた治療選択を行っています。 再燃前立腺がんに対しては最新の化学療法や内分泌療法を実施しています。
 副腎腫瘍に対しては、腹腔鏡手術を標準術式として行っています。

ロボット手術(ロボット支援腹腔鏡手術)

 当院では2016年に最新鋭の内視鏡下手術用ロボットda Vinci(ダ・ヴィンチ)Xiを導入しました。高解像度3Dカメラにより体内の様子は立体的に捉えられ、 ロボットアームや先端器具の動きは大変緻密で、人間の関節に近い、細かい動きが可能です。そして傷が小さく、術後の回復が早い利点があります。現在は以下の手術に使用しています。

  • 前立腺がんに対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術
  • 7 cm以下の腎がんに対するロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術
  • 膀胱がんに対するロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘除術
  • 腎がんに対するロボット支援腹腔鏡下腎摘除術
  • 腎盂・尿管がんに対するロボット支援腹腔鏡下腎尿管全摘除術
  • 腎盂尿管移行部狭窄症に対するロボット支援腹腔鏡下腎盂形成術
  • 膀胱瘤(骨盤臓器脱)に対するロボット支援腹腔鏡下仙骨腟固定術

腹腔鏡手術

 当科では傷が小さくからだへの負担が軽い腹腔鏡手術を多くの泌尿器科疾患に対して実施しています。手術は専門学会の技術認定を受けた医師が担当いたします。

  • 副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘出術
  • 副腎褐色細胞腫に対する腹腔鏡下副腎髄質腫瘍摘出術
  • 副腎がんに対する腹腔鏡下副腎悪性腫瘍手術
  • 腎のう胞に対する腹腔鏡下腎のう胞切除縮小術
  • 腎のう胞に対する腹腔鏡下腎のう胞切除術
  • 良性腎疾患などに対する腹腔鏡下腎摘出術
  • 生体腎移植における腹腔鏡下移植用腎採取術
  • 炎症性疾患などに対する腹腔鏡下膀胱部分切除術
  • 尿膜管疾患に対する腹腔鏡下尿膜管摘出術
  • 尿失禁に対する腹腔鏡下尿失禁手術
  • 精索静脈瘤に対する腹腔鏡下内精巣静脈結紮術
  • 腹腔内停留精巣に対する腹腔鏡下腹腔内停留精巣陰嚢内固定術

メンズヘルス

 勃起不全(ED)や男性更年期障害に対しての専門的な診療として、勃起不全に対してはRigi Scan Plusや陰茎硬度計(Digital Inflection Rigidometer)を用いた精査、PDE5阻害薬(バイアグラ、レビトラ、シアリスなど)や漢方薬、陰圧式勃起補助器具などを用いた治療を行っています。男性更年期障害に対するホルモン補充療法(ART)や漢方治療などにも積極的に取り組んでいます。

腎移植

 生体腎移植、献腎移植ともに積極的に行っており、1983年に始めて以来、多数の症例を経験しています。県内で数少ない腎移植施設として、随時腎不全患者さんからの相談を受けています。
 生体腎移植では、腹腔鏡下移植用腎採取術を行い、提供者(ドナー)の方の負担を最小限にするよう努めています。また血液透析や腹膜透析に入る前に移植を行う「先行的腎移植」は透析に伴う合併症を避けられ、長期成績が優れているため、積極的に行うことにしています。

男性不妊症

 種々の精子機能検査を用いた診断や顕微鏡下手術(精索静脈瘤手術、精子採取術など)による治療、漢方治療などを中心に行っています。産婦人科と協力し、挙児のご希望に応えるべく、専門的治療を行っています。

 なお日本泌尿器科学会のウェブサイトには、「こんな症状があったら」というQ&Aコーナーがあります。
 http://www.urol.or.jp/public/symptom/index.html
 該当する症状がありましたら、当科外来へご相談ください。