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泌尿器科について

 泌尿器科は尿路性器・後腹膜の外科系診療科です。わが国では診断から治療まで一貫して診療を行うことがほとんどであり、そこが泌尿器科の魅力の一つでもあります。泌尿器科の主な診療領域は図のように多岐にわたり、患者さんの年齢も性別も様々です。

 泌尿器科手術の技術革新には目覚ましいものがあります。経尿道的/経皮的内視鏡手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術など、ハイテク化が進んでいます。これらの技術革新は、低侵襲で効果の高い治療をもたらしています。合併症が少なくなり、患者さんが術後早期に回復するため、患者さん自身にメリットがあるのはもちろんのこと、手術が予定通りに終わり、術後緊急検査・処置の割合が減少するという、医療従事者にとってのメリットもあります。

 泌尿器科の内科的治療も外科的治療に勝るとも劣らない発展を遂げています。例えばがん治療に関しては、抗がん化学療法の他、分子標的療法、免疫療法、ホルモン療法など、さまざまな薬物療法を駆使して治療に当たります。さらに前立腺肥大症や過活動膀胱などは、患者数が非常に多くマーケットが大きいため、新規薬剤の開発が活発な領域になっています。

 このように泌尿器科は「内科」「外科」という範疇にとらわれずに、患者さんにとって最適な治療を提供できる魅力ある診療科です。皆さんが研修を終えて就職を考えるときに、大学勤務、基幹病院勤務、中小病院勤務、開業、など、その時の状況や希望に合わせた進路の選択が可能です。また女性で出産・子育てがあっても、仕事への復帰や、家庭との両立が可能な診療科です。

 欧米では医学生やレジデントに最も人気のある科の一つであり、成績上位者しか泌尿器科医になることができません。しかしわが国では泌尿器科医の数が十分ではなく、需要が供給を大きく上回っている状況です。特に北陸地方では泌尿器科医が少なく、どの病院に勤務しても、大事に扱ってもらえます。

 私達のウェブサイトを通じて泌尿器科という診療科を知っていただき、泌尿器科の学習理解を深めていただきたいと思います。さらに泌尿器科医の仕事と価値についてもご理解いただければ幸いです。皆さんと一緒に泌尿器科を学び、究めていくことができれば、この上ない悦びです。

腎泌尿器科学講座教授 北村 寛