1. 職位による主観的健康感・身体的健康度の違い

　一般に、職位が高いほど主観的健康観や身体的健康度が高いことが知られていますが、本研究では、職位による健康度の差に、国による傾向の違いがあるかを調べるため、40歳から60歳までの公務員を対象として3ヶ国比較を行いました。 　イギリスとフィンランドの公務員では、男女ともに職位が高いほど健康度が高い傾向が示されました。日本の男性でも同様の傾向が見られましたが、他の国ほど明確ではありませんでした。また、非肉体労働者に比べて肉体労働者の健康度が低い傾向が見られました。一方、日本の女性では職位によるる健康度の違いは見られませんでした。 　男性公務員では3ヶ国ともおおむね似た傾向が示されましたが、女性公務員については国によって健康度のパターンが異なっていました。

男性：管理職を基準としたときの健康度の低さ
女性：専門職を基準としたときの健康度の低さ
出典：Martikainen et al., Social Science & Medicine 2004.