腎臓グループ

腎臓グループ

現在、腎臓・高血圧班は、助教2名、診療助手1名、医員3名の計6名で、診療や研究にあたっています。当研究班では、研究のための研究ではなく、臨床上の問題点に端を発する研究を行い、その成果を臨床に還元することを目指しています。近年、心血管系疾患の危険因子として慢性腎臓病が注目され、腎臓病と心血管病が密接に関連していることがわかってきました(心腎連関)が、当教室では循環器の診療科も同居し、血管を通じて関連の深い腎臓病、高血圧、循環器疾患を包括的に研究するには極めて適した環境にあります。


高血圧患者における高血圧性臓器障害の成因に関する研究
高血圧や慢性腎臓病の患者を対象に、採血や24時間蓄尿と共に24時間血圧測定を行い、さらに心エコーや頸動脈エコー、頸動脈エコー、位相追従型超音波変移計、血圧脈波検査装置、プレチスモグラフィーにより高血圧性臓器障害を評価しています。これらの検査から得られるデータを基に、高血圧性臓器障害の成因および降圧薬による臓器保護効果を調べる研究を行っています。


高血圧患者における心理ストレス負荷の血小板機能や、
血液粘性に及ぼす影響に関する研究
本態性高血圧症では、ストレスにより交感神経・副腎髄質系が賦活した際の昇圧が健常人よりも亢進しています。この交感神経・副腎髄質系の賦活により血小板機能や血液粘性が亢進し、心血管系疾患の発症・進展に寄与すると考えられます。当教室では、以前より高血圧患者に対して暗算ストレス負荷試験を行い、その前後での血小板機能や血液粘性を調べる研究を行い、論文や学会等で報告しています。


腎臓病を合併した心不全患者における、
バソプレシンV2受容体拮抗薬トルバプタンの有効性と反応性に関する研究
腎臓病患者では、体液管理のためにナトリウム排泄型利尿薬を増量することで更なる腎機能の悪化や、生命予後の悪化が招かれることが懸念されます。バソプレシンV2受容体拮抗薬トルバプタンはナトリウム排泄型利尿薬と異なる作用機序で体液貯留を改善する水利尿薬です。当教室では、腎臓病患者におけるトルバプタンの有用性や有効性の指標を明らかにするための研究を行っています。


血液透析患者における酸化ストレスに関する研究
血液透析患者では、尿毒症自体に起因する、あるいは透析膜や透析液など血液透析治療により誘発されることで酸化ストレスが亢進する一方で、活性酸素種に対する防御能が低下しています。透析患者における心血管系疾患の発症・進展には、酸化ストレスが大きく関与していると考えられています。これまで当教室では、血液透析患者におけるビタミンE固定化透析膜やカルニチン投薬による酸化ストレスの軽減効果を学会等で報告しています。


腎炎患者における尿バイオマーカーと疾患活動性および腎予後に関する研究
腎炎の治療には正確な組織学的診断や活動性の評価が必要ですが、腎炎患者の中には様々な理由により腎生検による組織学的評価ができずに治療方針の決定に難渋する場合があります。腎生検ができない腎炎患者の疾患活動性の評価や腎予後の予測を試みるために、当教室で腎生検をうけた腎炎患者の尿バイオマーカーを測定し、腎炎の活動性や組織学的重症度との関連を検討しています。






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