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研究グループ

循環器グループ

グループ紹介 研究内容

hirono.jpg  先天性心疾患、川崎病、不整脈、心筋症など子供の心臓の病気を専門に診療を行っています。 年間、心エコー2000例、心臓カテーテル検査100-120例 (うちインターベンション30-50例)、ホルター心電図300例、トレッドミル100例を施行しています。 近年では胎児心エコー検査の進歩により、お母さん のお腹の中にいるときから赤ちゃんの管理を行うことが出来るようになりました。 赤ちゃんの心臓の状態をみながら、産婦人科、新生児科(NICU)、 小児循環器外科と連携を密にとりながら、最適の環境で出産出来るように診療にあたっています。また、複雑な心疾患のお子さんが成人を迎える時代に なり、成人期特有の先天性心疾患の問題が出てくるようになりました。 当院では、成人を迎えた先天性心疾患の患者様に対して、小児科だけではなく 第二内科(循環器内科)との連携をとりながら治療を行っております。 2008年4月より、日本小児循環器学会専門医修練施設に認定され、当施設での3年 間の研修で専門医の取得が可能になっております。
 2017年より、富山大学附属病院の一つの部門として、循環器疾患を包括的に治療する目的で循環器センターが設立されました。内科、外科、小児科、 麻酔科、集中治療室(ICU、CCU)、臨床工学技士、看護師およびリハビリスタッフなど多職種で密に連携を取り合い、お互いの得意分野を補完するよう なハートチームを作って診断から治療にまできめ細やかに対処しています。


特殊検査の案内
  • 胎児心エコー

在胎18週から心構造評価が可能ですが、評価のみでなく当院への妊婦健診の変更も必要な際には、小児科、産科両方の先生の紹介状が必要です。その場合、 火曜の午前の産科外来を受診いただき、午後から胎児心エコー外来を受診していただきます。予約は地域連携室を通してお願いいたします。 これまでに900例、 年間50例以上の実績があります。

  • 心臓カテーテル検査

手術の時期の決定、術後評価、心機能・血行動態評価、川崎病合併症の評価などを目的に検査を行います。検査後もベッド上で安静にするため、3~5日間 の入院が必要です。年間約100-120例の検査を行っています。弁狭窄などのカテーテル治療や、動脈管のコイル塞栓術も併せて行っています。心房中隔欠損 や動脈管開存では、閉塞栓を用いて経皮的に閉鎖術を行うことが当院でもできるようになりました。

  • 経食道エコー検査

年長児、肥満児などで肺が心臓前面にかぶさっている場合では、通常行う経胸壁心エコーでは十分な画像が得られない場合があります。経食道心エコーでは 探触子と心臓の間に超音波の障壁となる肺が介在せず、経胸壁心エコーよりも心臓に近い場所からの観察が可能となり、精度の高い情報が得られます。簡単 な麻酔薬を使用して眠った状態での検査で日帰り入院となります。

  • 3D-CT検査

造影剤を使用しながらCTを撮影し、コンピューターで心臓や血管の形態を構築します。 エコーやレントゲンでは見ることが出来ない血管、心臓の構造や気管 支の形態、位置関係を把握するのに有用な検査です。3次元画像を見ることで、血管造影では得ることができない情報も確認できます。撮影時間は準備時間を 合わせても数分で終了し、外来でも行うことができる検査ですが、小さいお子さんの場合はお薬で寝てから検査を行う必要があります。

  • 発達検査

希望に応じて心疾患のお子さんの発達検査を行っています。Bayley検査は、おもちゃを用いた遊びを通して、認知、言語、運動発達等を神経学的観点から詳細 に評価できます。 2004年からこれまでにのべ900例以上(年間100例以上)の実績があります。

心筋症、特に心筋緻密化障害についての遺伝子解析を行っています。乳幼児で5cc、学童で10ccを採血し、検査を行います。詳しくは 富山大学小児科循環器グループ(pedcar@med.u-toyama.ac.jp) までお問い合わせください。

循環器チーム週間スケジュール
*発達検査は水曜日、木曜日予定
  午前 午後
循環器外来(心エコー) 循環器外来(心エコー)
心臓カテーテル検査 胎児心エコー
循環器カンファレンス
  心臓カテーテル検査
リサーチカンファレンス(不定期)
循環器外来(心エコー、3DCT、経食道心エコー) 循環器外来(トレッドミル)
心臓カテーテル検査、心筋シンチ 発達検査
研究内容
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 富山大学附属病院倫理委員会の承認のもとに以下の研究を行なっています。患者様にご承諾頂いた場合にご協力をお願いすることがあります。 Cincinnati小児病院(Prof. JA Towbin)での留学から帰国した廣野恵一先生が中心となり、各循環器部門の研究を取りまとめています。仲岡英幸、 岡部真子が、病理学教室(山本助教)と工学部生命学科(高崎准教授)と共同で川崎病における血管内皮微小粒子とそれに関連した様々なRNAの 研究を行っています。心筋緻密化障害の遺伝子解析の研究では、市田蕗子客員教授のサポートの元、廣野、齋藤和由が法医学教室(西田教授、 畑助教、木下助教)と共同で網羅的解析やiPS細胞を用いた研究を行っています。また、胎児心筋症に関して、小澤が研究をすすめております。 先天性心疾患の発達と脳MRIに関しては、伊吹圭二郎・平岩明子が心理学教室と共同研究を進めております。肺高血圧の薬物治療に関する研究 では、薬学部医薬品安全性学(田口准教授)とともに肺高血圧患者におけるシルデナフィル治療の動態および効果について現在解析を進めてい ます。また、神戸大学の江本憲昭教授の御指導のもと、第一外科(芳村教授)と共同でフォンタン術後の肺血管のリモデリングに関与するエン ドセリン関連物質の研究を勧めています。更に、宮尾成明が分子神経科学講座(森教授)との共同研究で、ゲノム編集を用いて作成された心筋 症マウスの研究に取り組む予定となっております。
 また、当院は「バイオフィルム制御薬クラリスロマイシンの川崎病再燃抑制効果に関する検 証的試験-多施設共同ランダム化比較第3相試験-(CLARITY study:Clarithromycin plus intravenous immunoglobulin therapy for Kawasaki Disease)」に参加しております。。

 
1) 心筋症や致死性不整脈の次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析
2) 心筋緻密化障害のiPS細胞を用いた機能解析
3) Barth症候群など二次性心筋症の臨床遺伝学的研究
4) 川崎病冠動脈障害進展機序に関する研究(血管微小粒子, non-coding RNA, CyA,テネイシンなど)
5) 胎児心筋症に関する臨床調査
6) 先天性心疾患児の発達に関する研究(脳MRI とBayley scaleを用いた検査)
7) Fontan術後患者における静脈うっ滞に関する研究
8) 先天性心疾患のボセンタン、タダラフィル、ワルファリンの薬物動態の解析

 これらの研究は、平成27年度科学研究費補助金、基盤研究(C)(市田蕗子)(廣野恵一)、若手研究(B)(伊吹圭二郞)、 平成28年度科学研究費補助金、基盤研究(C)(小澤綾佳)、平成29年度科学研究費補助金、基盤研究(C)(齋藤和由)および、 金原一郎記念医学医療振興財団研究交流助成金(廣野恵一)、榊原記念研究助成金(仲岡英幸)、川崎病研究センター研究助成金、 JB川崎病奨励研究費(岡部真子)、AMED(単心室循環症候群の治療管理の質を高める研究、川崎病の病因・病態解明に基づく新規 治療・予防法の開発)、厚労科研(小児期心筋症の心電図学的抽出基準、心臓超音波学的診断基準の作成と遺伝学的検査を反映し た診療ガイドラインの作成に関する研究、川崎病バイオマーカ検討小委員会)の補助により行われています。

経皮的心房中隔欠損閉鎖術
[心房中隔欠損症について]
 心房中隔欠損症(Atrial Septal defect; ASD)は右心房と左心房の間にある壁(心房中隔)に穴があいている先天性心疾患です。肺から左心房に帰ってきた血液の一部分が穴を通り、右心房右室肺動脈へと流れます。正常よりも多い血液が流れるため右心系や肺循環に負担がかかることになります。
 重症の場合を除いて小児期の自覚症状は乏しく成人期になり症状を呈することがほとんどで、運動能力の低下、呼吸困難、疲労、不整脈が出現します。
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[心房中隔欠損症の低侵襲カテーテル治療]
外科的手術が従来の治療方法でしたが、人工心肺を使用し心臓を一旦停止させる必要がある、大きな傷跡が残るなどの問題点がありました。近年では心臓カテーテルによる低侵襲治療が行われるようになっています。カテーテル閉鎖術では大腿部の付け根から挿入したカテーテルにより、金属製の閉塞栓を心房中隔の穴に留置し閉鎖する治療です。2006年に健康保険で認められた新しい治療方法で、当院は本治療を行うことができる北陸で唯一の施設に認定されています。
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[カテーテル治療の適応について]
 心房中隔欠損症の中で、2次孔欠損が適応となります。また、欠損孔が大きすぎるものや周囲構造物と距離が近い場合、閉塞栓を支える欠損孔周囲の縁の形状などの問題により安全に閉塞栓を留置出来ないと判断される場合は適応から外れることがあり、外科的手術をお勧めする場合があります。
 体重は15kg以上が適応となりますが、安定した手技を行うため25-30kgまで待つこともあります。

[治療までの流れ]
 心房中隔欠損症がカテーテル治療に適したものかどうかを判断するために、事前に経食道エコー検査を行うことをお勧めしています。適応ありと判断された場合は、後日、カテーテル治療の予定をたてます。
 成人期に発見されることも多い疾患であり、当院では循環器内科・心臓血管外科とも連携をとり診療にあたっております。成人の方のカテーテル治療も行っておりますのでご相談下さい。

[相談・連絡先]
・富山大学附属病院
 TEL 076-434-2281(病院代表)
・小児患者様
 小児科 担当;廣野恵一、伊吹圭二郎
・成人患者様
 第二内科(循環器内科)
 第一外科(心臓血管外科)

経皮的動脈管閉鎖術
[動脈管開存症について]
 動脈管開在症(Patent Ductus Arteriosus; PDA)は、大動脈と肺動脈をつなぐ血管である動脈管が残存してしまった先天性心疾患です。動脈管は胎児期に重要な役割を担っていますが、生後数日で閉鎖します。この血管が残存することで大動脈-肺動脈-肺へと血液が短絡してしまいます。肺や肺から左心房や左心室へ戻る血液量が多くなるため、肺うっ血、心不全の症状を呈します。大きなものは乳児期から症状が出現し、哺乳不良、呼吸障害、成長障害などの症状を認めます。大きくない場合は気付かれることなく大人になりますが、長期間にわたり心臓に負担がかかるため息切れ、動悸、疲れやすいなどの心不全症状が出現することがあります。また、動脈管の周囲に細菌感染が起こる細菌性血管炎の原因になることがあります。

[動脈管開存症のカテーテル治療]
 治療法は外科手術とカテーテル治療があります。手術では動脈管を縛ってしまいますが、大人の場合は、動脈管がもろくなっていることが多く、心臓を止めた状態で手術を行わなくてはならなくなります。カテーテル治療は大腿の付け根から挿入したカテーテルによりコイルや閉塞栓を留置することで閉鎖します。
 以前はコイルのみの治療でしたが、近年では新しい閉塞栓による治療を行うことができるようになり、太い動脈管をより安全に、より確実に治療することが出来るようになりました。この閉鎖栓を使用できる施設は限られており、当院は北陸で唯一の認定施設となっております。
 成人期に発見されることも多い疾患であり、当院では循環器内科・心臓血管外科とも連携をとり診療にあたっております。成人の方のカテーテル治療も行っておりますのでご相談下さい。

[相談・連絡先]
・富山大学附属病院
 TEL 076-434-2281(病院代表)
・小児患者様
 小児科 担当;廣野恵一、伊吹圭二郎
・成人患者様
 第二内科(循環器内科)
 第一外科(心臓血管外科)
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