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2023.12.01

妊娠期の環境要因が子どもの脳発達に与える影響 -母体へのグルホシネート曝露によるシナプス形成異常の発見-

■概要
 富山大学医薬系技術部 基礎医学部門 細胞機能分野 分子神経科学講座の和泉宏謙と学術研究部医学系 分子神経科学講座 吉田知之准教授らの研究グループは、マウスを用いた動物実験を通して、妊娠母体へ農薬(グルホシネート)を投与することで、その仔マウスの神経細胞でシナプスの形成量が減少することを発見しました。近年、妊娠期の母親が晒される環境要因(感染症、栄養環境、環境化学物質への曝露など)が子どもの神経発達障害※4のリスクを高めることが示唆されていましたが、そのメカニズムについてはよくわかっていませんでした。今回の知見は、妊娠期における環境要因への曝露が神経発達障害を導く病態発症メカニズムの1つとしてシナプスの形成異常が存在することを提案するもので、神経発達障害の新たな創薬・治療戦略の基盤構築に寄与するものと期待されます。
 本研究成果は、「Frontiers in Molecular Neuroscience(掲載誌)」に2023 年 11 月 30 日(木)(GMT グリニッジ標準時間)に掲載されました。
※4)神経発達障害
   脳の働きに偏りがあることで、物事の捉え方や行動パターンなどに違いが生じ、日常生活に困難が生じている状態のこと。

【本発表資料のお問い合わせ先】
   〇富山大学 学術研究部医学系 分子神経科学講座
    准教授 吉田 知之
    TEL : 076-434-7231
    Email : toyoshid@med.u-toyama.ac.jp
   〇富山大学 医薬系技術部 基礎医学部門 細胞機能分野 分子神経科学講座
    技術専門職員 和泉 宏謙
    TEL : 076-434-7231
    Email : izuchan@med.u-toyama.ac.jp
               

■詳細は以下リンク先をご覧ください。

妊娠期の環境要因が子どもの脳発達に与える影響 -母体へのグルホシネート曝露によるシナプス形成異常の発見-

                

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