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2025.09.26

糖尿病発症前の体重変化に新たな傾向を発見
―肥満でない人では減少するケースも―


■ポイント
 富山県で実施された特定健診のデータを解析した結果、糖尿病を発症する前の体重変化に、肥満かどうかによって異なる傾向があることが明らかになった。
 肥満の人では、糖尿病発症前に体重が平均的に増加していたが、肥満でない人では、発症前の体重が平均的に減少傾向にあった。
 さらに、肥満でない人の中では、発症前に体重が減少した人の方が、増加した人よりも有意に多いことも分かった。
 これまで糖尿病は、体重の増加とともに発症すると考えられてきたが、今後は、やせ型で体重が減少傾向にある人も糖尿病発症に注意する必要があることが示唆された。これまで糖尿病は、体重の増加とともに発症すると考えられてきたが、今後は、やせ型で体重が減少傾向にある人も糖尿病発症に注意する必要があることが示唆された。

■概要
 富山大学未病研究センターの研究グループは、富山県で実施された特定健診のデータ(北陸予防医学協会提供)を解析し、糖尿病を発症する前の体重変化に、肥満かどうかによって異なる傾向があることを明らかにしました。肥満の人では、糖尿病発症前に体重が平均的に増加していましたが、肥満でない人の中には、糖尿病の発症前に体重が減少するサブタイプがいることが明らかとなりました。これまで糖尿病は、体重の増加とともに発症すると考えられてきましたが、今後は、やせ型で体重が減少傾向にある人も糖尿病発症に注意する必要があることが示唆されました。
 本研究成果は、「Endocrine Journal」に 2025 年9月25日(日本時間)に掲載されました。

論文名 : Characterization of individuals in whom body weight loss precedes diabetes onset: a retrospective, observational, longitudinal cohort study based on health checkup in Japan

著 者 : 四方 雅隆1, 奥 牧人2,3, 福原 志音4, 伊藤 遼5, 春木 孝之3,6, 上田 肇一3,7, 木村 巌3,7, 寺元 剛8, 中條 大輔9, 岩田 実1,10, 山上 孝司11, 永田 義毅11, 門脇 真3, 戸邉 一之1,3
1 富山大学 医学部 第一内科, 2 富山大学 和漢医薬学総合研究所, 3 富山大学 未病研究センター, 4 富山大学大学院 理工学教育部, 5 富山大学大学院 理工学研究科, 6 富山大学 学術研究部 都市デザイン学系, 7 富山大学 学術研究部 理学系, 8 富山大学 附属病院 臨床研究開発推進センター, 9 国際医療福祉大学 医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科, 10 富山大学 医学部 人間科学講座, 11 一般財団法人 北陸予防医学協会 予防医学研究室

掲載誌 : Endocrine Journal
DOI : https://doi.org/10.1507/endocrj.EJ25-0230

【本発表資料のお問い合わせ先】
 富山大学学術研究部教育研究推進系  
 特命准教授 奥  牧人
 TEL : 076-434-7605
 Email : oku@cts.u-toyama.ac.jp

 富山大学学術研究部医学系  
 特別研究教授  戸邉 一之
 TEL : 076-434-7219
 Email : tobe@med.u-toyama.ac.jp

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【Press Release】
糖尿病発症前の体重変化に新たな傾向を発見
―肥満でない人では減少するケースも―

                

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