リウマチ・膠原病

診療内容

免疫・膠原病診療風景 当科では、主に、関節リウマチを主とした膠原病の診療を行っています。 主な対象疾患は以下のとおりです。

  • 関節リウマチ、悪性関節リウマチ
  • 全身性エリテマトーデス
  • シェーグレン症候群
  • 混合性結合組織病
  • 強皮症
  • 血管炎症候群:大動脈炎症候群(高安動脈炎)、結節性多発動脈炎、 顕微鏡的多発血管炎、ウェゲナー肉芽腫症 側頭動脈炎
  • 多発性筋炎、皮膚筋炎などの炎症性筋疾患
  • ベーチェット病 成人スティル病、リウマチ性多発筋痛症 反応性関節炎
  • その他の原因不明の関節炎
これらの病気は、人体に侵入した異物(細菌、ウイルス、真菌など)を排除する際に働くべき免疫系に乱れが生じ、あやまって自分の体の諸臓器を攻撃して起こる自己免疫の病気であり、自己免疫疾患の範疇に入ります。
これらの疾患のうちいくつかは、その原因が不明で治療に難渋することから、厚生労働省の特定疾患に認定され、公費対象となっております(公費対象疾患:悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、大動脈炎症候群(高安動脈炎)、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット病)。

こんな症状で困っていたら一度受診を

病気の診断のきっかけとなる症状、検査所見には、以下の様なものがあります。
気にかかる症状にお悩みの患者さんはご相談ください。

  • 原因不明の発熱(微熱も含む)が持続する。
  • 関節が痛い、腫れている。朝、起きがけに手、足などの関節がスムーズに動かない。
  • 筋肉痛が続き力が入らずバンザイが出来ない、一度座ると立ち上がるのに苦労する。
  • リンパ節が腫れる(頚、わきの下、足のつけねなど)。
  • 日光に当たると皮膚が真っ赤になったり、水ぶくれになったりする(日光過敏症)。
  • 冷たい水、外気に当たると手足の指先が白くなったり紫になったりする(レイノー現象)。
  • せんべい、クッキーなどがぱさついて飲み物なしでは食べられない。
  • 目が乾く、痛みがある。
  • 血液検査で白血球が低いといわれた、血沈赤沈値に異常がある。
  • 血液検査で抗核抗体やリウマトイド因子(RF)が陽性である。

診療のモットー

 
スタッフ写真リウマチ、膠原病疾患は発熱、関節痛、皮疹など類似した症状を呈しますが、治療方針は大きく異なります。
当科では正確な診断、的確な治療、迅速な対応、患者さんの納得のいく医療を目指して診療にあたっています。
医学の進歩も日進月歩で、リウマチ、膠原病の治療法もめざましい進歩をとげています。

とくに関節リウマチでは腫瘍壊死因子(TNF)を標的とした生物学的製剤が医療の場に登場し、患者さんの生活の質の向上に大きく貢献しています。
当科ではリウマチ教育検診入院やリウマチ講演会などの機会を通して、病気の成り立ち、治療の必要性、副作用について理解して頂いた上で、最新の治療を行っています。

関連病院

当科のスタッフが、県内各所の総合病院にてリウマチ、膠原病専門外来を行っております。

  • 済生会高岡病院
  • 済生会富山病院
  • 高岡市民病院
  • あさひ総合病院
  • 富山西総合病院
  • 富山県立中央病院
  • 富山労災病院
  • 糸魚川総合病院
  • かみいち総合病院
  • 射水市民病院
  • 西能クリニック
※なお、外来受付時間等については各病院のホームページ等を参考に御来院ください。

各疾患について

病気について更に詳細に知りたいという方のために、当科で診療している各疾患について、記載しました。興味のある方はご覧ください。

  1. 関節リウマチ
  2. 悪性関節リウマチ
  3. 全身性エリテマトーデス
  4. 強皮症
  5. 皮膚筋炎、多発性筋炎
  6. 混合性結合組織病
  7. シェーグレン症候群
  8. 大動脈炎症候群(高安動脈炎)
  9. 結節性多発動脈炎顕微鏡的多発血管炎
  10. ウェゲナー肉芽腫症
  11. アレルギー性肉芽腫性血管炎
  12. 側頭動脈炎、リウマチ性多発筋痛症
  13. ベーチェット病
  14. 成人スティル病
  15. 反応性関節炎、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患に伴う関節炎
  16. その他の原因不明の関節炎

よくあるご質問

不明熱って何ですか?

皆さんが熱を出した場合、ほとんどが風邪やインフルエンザなどの感染症ではないでしょうか。
子供であればそれに突発性発疹・はしか・ふうしん・水ぼうそう・おたふくかぜなどが加わりますが、高齢になると気管支炎、肺炎、尿路感染症などの割合が多くなります。いずれの感染症もウイルスや細菌が原因となります。
このように、発熱の原因としては感染症の占める割合が最も多く、そのほとんどが適切な治療により1-2週間以内に回復します。
しかし患者さんの中には38℃以上の発熱が3週間以上にわたり持続し、通院や入院の検査によってなかなか原因の特定できない場合があります。そのような状態を医学用語で「不明熱」と表現します。

不明熱をきたす病気には大きく分けて四つあります。

  1. 感染症
    ある種のウイルス(サイトメガロウイルス・EBウイルスなど)は発熱が持続することがあります。また結核菌が肺やリンパ節に隠れていて熱を出す場合もあります。時にはおなかの中に膿瘍(膿のたまり)があって熱をだすことも原因となります。
  2. 膠原病・自己免疫疾患
    聞きなれない言葉だと思いますが、様々な膠原病などの自己免疫疾患が発熱を来たします。(成人スティル病 全身性エリテマトーデス 高安病 ベーチェット病 血管炎症候群 クローン病など)
  3. 悪性腫瘍(癌など)
    ある種の癌は発熱を来たします。また白血病、悪性リンパ腫などが発熱をきっかけに診断されることがあります。
  4. 薬剤熱
    発熱に対して使用している薬が原因で熱を出すこともあります。薬を中止して3日以内に解熱するのが特徴です。
不明熱の患者さんが受診された場合、詳細な病気の経過を聞かせていただき、血液検査、画像検査(CT・MRI・RI検査・超音波検査)、病理検査(病気の疑われる臓器から一部組織を採取し顕微鏡で検討する)などを行い熱の原因を検討します。
それにより原因が分かればそれに応じた治療が始まりますが、実際のところ不明熱で来られた三割前後の方が検査しても原因が分からないとも言われております。しかしそのような場合には徐々に自然に解熱することが多いようです。

リウマチが起こる原因は何でしょうか?

リウマチが起こる明確な原因はまだわかっておりません。 しかし日本を始め、世界中の研究者が関節リウマチの原因究明に取り組む中で、いくつかのことが分かり始めております。

一つは、遺伝的な素因が関係していることです。 しかし親から子供に100%遺伝することはありません。ただし、家族内発症率が多いこと(家系にリウマチを持たない人に比べ、約3.6倍の発症率)、また、一卵性双生児では34%の発症率と、二卵性双生児の7%に比べ高いことから、遺伝的傾向は認められます。

そのほかの原因として推定されているのは、外界に存在するウイルス、細菌などの微生物による感染です。しかし微生物が直接関節を攻撃して起こるのではなく、微生物の感染が引き金になって、自分の関節を攻撃する自己免疫反応が惹起されるのです。 通常であればこのような反応は微生物の感染が終焉すれば関節炎も改善します(例:風邪をひいたの時の関節炎は一過性です)。 しかし、個々人によって微生物が体内から排除された後も関節痛が消失せずに、関節リウマチが発症することがあるのです。

現時点ではどのようなウイルスが原因であるかは確定しておらず、家族に関節リウマチを持つ方の発症予防の方策は立っておりません。

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