第3内科同門会
令和6 年度の富山大学医学部第三内科同門会誌の発刊にあたり、ご挨拶申し上げます。
まずは、令和6 年1 月1 日午後4 時10 分に発生しました令和6年能登半島地震において、お亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、被災されました皆様にお見舞いを申し上げ、また一日も早い復旧・復興をお祈りいたしております。
昨年の総会において、血液内科の先生方が新たな会を組織し、第三内科同門会とは分かれて活動を開始することとなりました。長年同じ同門会として活動して参りましたので、一抹の寂しさもございますが、新たな血液内科の同門会の門出を祝福し、今後の一層の発展を祈念するとともに、また臨床の場においては今後とも同じ仲間として仲良く診療し、様々な学術面での交流も深めることができることを願っております。
同門会のできごとといたしましては、令和5年12 月16 日に、ANA クラウンプラザホテル富山において、渡辺憲治先生の就任記念祝賀会を開催し、北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター特別顧問でいらっしゃる日比紀文先生を始めとして多くの著名なご来賓の先生方にご参加いただき、盛大に開催することができたことを大変嬉しく思っております。
最近の話題としましては、安田一朗先生が令和6 年11 月9 日に開催されます第53 回日本消化器がん検診学会東海北陸地方会の会長をなさり、また清水幸裕先生が令和6年11 月30 日・12 月1 日に開催されます第3 回日本地域医療学会学術集会の会長をなさると伺っております。昨年規約を整理いたしました「同門会功労賞」の今年度の受賞者に、幹事会として清水幸裕先生を推薦しておりますが、清水先生におかれましては南砺市民病院病院長として、JCI ( JointCommission International)の認証取得、ACP(Advance Care Planning)や医療倫理の推進、ドクターカーの導入や特定行為に係る看護師の研修の推進など多くの業績をあげておられます。同門会総会においては受賞講演をお願いしておりますが、先生の地域医療にかける熱い思いをお聞かせいただけるものと楽しみにしております。
また、本年の 4 月14 日に開催されました日本消化器内視鏡学会2024 年度第1 回理事会において、安田一朗先生が2027 年春に開催されます第113 回日本消化器内視鏡学会総会の会長をおつとめになることが決議され、春の学会評議員会で承認されたとうかがいました。首都圏以外の大学にご所属の先生が総会の会長を務められます場合は、最近では東京などの都会で開催されることが多くなっているようですが、安田先生は富山で開催されるお考えとうかがっております。同門会としても大変名誉なことと考えており、出来る限りの応援をしていかなければならないと思っております。
日常診療におきましては、新型コロナウィルス感染症発生から約5 年が経過し、一般の診療も落ち着きを取り戻しつつあると思います。しかし新型コロナウィルス自体は変異(あるいは変容と言えるかもしれません)を続けており、新たな新興感染症の発生なども危惧されています。一方、今年の診療報酬改定におきましては、診療報酬全体では+0.88%とのことでしたが、内科系の診療に対しては全体としては厳しい改定であったと思われます。医薬品や医療機器の供給の問題、物価・賃金の上昇や円安の進行などの経済的な要因、少子高齢化の進行に伴う医療スタッフの減少、世界各地での紛争や大規模災害なども我々の医療に影響を与えており、様々な困難な問題が山積しております。さらに本年4 月から始まっている第8 次医療計画における医師の働き方改革の医師の時間外労働の上限規制の実施、かかりつけ医機能が発揮される制度整備の進展、医療分野への人工知能(AI)などの導入、医療におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応などは、僕のようなナマケモノには制度やシステムが難しくなるだけのようにも感じられ、実際の現場においても多少の混乱をきたすことが心配されますが、冷静にきちんと対応いたしますと、もしかしたら明るい未来への展望が拓けていくのかもしれません。
私は平成31 年(2019 年)1 月に会長に就任いたしましたが、その後新型コロナウィルス感染症の蔓延のため、同門会活動も大きく制限されて参りました。ようやく昨年11 月には約4 年ぶりに飲食を伴った懇親会も開催することができましたが、ここまでの4 年間の間、総会の書面決議やハイブリッドによる総会の開催など、様々な工夫のもと同門会活動を行い、同門会員の先生方の多くのご支援やご協力により、大きな問題もなく同門会の運営を行うことができたのではないかと考えております。
これからも同門会員の先生のお役に立つような運営を行っていきたいと思っております。今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
令和 6年 11月 16日
同門会会長 土田 敏博