初期研修の特徴
消化器疾患(消化管、肝胆膵)、消化器悪性腫瘍の診療を通じて、内科医としての基本知識と技能、態度を身につけ、患者さんを全人的に診る能力が身につきます。 当科では、一般外来から救急外来で頻度の高い腹部救急疾患への対応を、外来診療・入院診療から学び、プライマリケア能力を習得することを目標としています。
▶ 第三内科へのローテションは1か月単位で可能ですが、将来役に立つ消化器領域の基本的な考え方を身につけるため、 2~3か月のローテーション期間を推奨します。この期間での研修到達目標を示しましたので参考にしてください。
・内視鏡検査の介助・実施ができる
・イレウス管挿入の介助・実施ができる
・炎症性腸疾患の診断と管理を行う
・血液検査データを解釈し病態を理解する
・画像検査を読影し病態を理解できる
・輸血の適応を理解し実施できる
・カテーテル類の挿入介助・実施ができる
・がん化学療法の適応を理解し実施できる
・がん化学療法の副作用の管理ができる
・がん疼痛への対応と薬剤選択ができる
・血液検査データを解釈し病態を理解する
・画像検査を読影し病態を理解できる
・輸血の適応を理解し実施できる
・カテーテル類の挿入介助・実施ができる
・肝疾患の救急初期対応ができる
・腹部エコー検査ができる
・エコーガイド下処置の介助/実施ができる
・腹部血管造影検査の介助・実施ができる
・化学療法中のマネージメントができる
・カテーテル類の挿入介助・実施ができる
・胆膵救急疾患の初期対応ができる
・腹部エコー検査ができる
・胆膵内視鏡検査の種類と概要を理解する
・各種画像所見を説明できる
・化学療法中のマネージメントができる
・カテーテル類の挿入介助・実施ができる
【経験すべき症候】
・ショック : 主に敗血症性ショック
・腰背部痛 : 膵癌・転移性骨腫瘍・水腎症
・黄疸 : 閉塞性黄疸、末期不全
・呼吸困難 : 悪性疾患に伴う胸水貯留など
・発熱 : 炎症性疾患、悪性腫瘍に伴う発熱など
・吐血/喀血 : 消化管出血、気道出血との鑑別
・下血/血便 : 上部または下部消化管出血
・嘔気/嘔吐 : 腸炎、腸閉塞、抗がん剤起因性
・腹痛 : 鑑別疾患が多いが、頻度の高い症候
・便通異常 : 便秘、細菌性・ウイルス性下痢
・終末期の症候: ACPを含めて終末期医療に従事
【経験すべき疾患】
・肺炎 : 抗癌剤や放射線に伴う間質性肺炎など
・急性胃腸炎 : 細菌性・ウイルス性など
・消化性潰瘍 : 胃十二指腸潰瘍、内視鏡後出血
・胃癌 : 早期癌の治療から進行癌の治療まで
・大腸癌 : 早期~進行癌の治療や外科転科など
・肝炎/肝硬変: ウイルス性、アルコール性、自己免疫性
・胆石症 : 胆石、総胆管結石の内科的治療
・依存症 : 主にアルコール依存の症例が多い
▶ 表はスライドします
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 | 病棟業務 内視鏡検査(+EUS) エコー検査 |
病棟業務 内視鏡検査 |
病棟業務 内視鏡検査 エコー検査 |
カンファ・回診 内視鏡検査(+EUS) |
病棟業務 内視鏡検査 |
午後 | 大腸内視鏡 ERCP 血管造影 |
エコー下処置 大腸内視鏡 小腸内視鏡 ESD |
大腸内視鏡 ESD |
小腸内視鏡 ERCP ESD |
大腸内視鏡 |
カンファレンス | 肝胆膵カンファ 消化管 キャンサーボード 消化器カンファ |
三内症例検討 肝胆膵 キャンサーボード |
※病棟業務:
上級医とともにチームの一員として病棟診療に従事します。
※内視鏡検査:
主に担当患者さんの内視鏡検査を担当してがもらうことが多いです。
※超音波検査:
入院患者さんの腹部エコーを中心に行います。エコー下処置の介助もします。
※カンファ:
カンファでは研修医のプレゼンテーション技術を向上させる良い機会です。
※症例検討:
受け持った症例や興味のある領域の蓄積データを学会形式で発表します。