胆道膵臓疾患
超音波内視鏡検査(EUS)は、内視鏡胃カメラの先端に超音波観測装置(エコー)を装着した特殊な内視鏡機器です。 EUSはCTや腹部超音波検査よりも、膵臓を詳しく観察できる検査機器の1つです。5年生存率が8%、最も手ごわいと言われる膵がんも、1cm以下で発見されれば5年生存率は80%です。
こうした「早期の膵がん」を見つけるのに不可欠な検査がEUSです。その他にも、膵嚢胞や胆嚢ポリープの治療方針を決める上でも重要な情報を得ることができます。
安田教授はこの検査の第一人者であり、これまでに多数の国内外の医師を指導してきました。
超音波内視鏡で対象病変を観察しながら針生検を行うのが超音波内視鏡下針生検(EUS-FNA)です。
これまで病理診断のための検体採取が難しいとされてきた膵臓や縦隔・腹腔内のリンパ節・腫瘤の検体採取が安全かつ簡便に行えます。
当院での膵腫瘍の診断感度は、98.7%(1cm以下の小さな病変でも94.3%)と高いため、他院で診断できなかった患者さんも多数診断しています。
膵臓の嚢胞や膿瘍、胆管閉塞に対して、外科手術ではなく、超音波内視鏡(EUS)を使ってチューブを留置し、排液する治療法を行っています。
胆管の閉塞や胆嚢炎に対して、体表から針を刺して排液用のチューブを留置する手技(経皮的胆道ドレナージ)が広く行われていますが、 この方法では常に体表からチューブが出ている状態となるため、留置部の痛みや入浴制限など日常生活に少なからず支障をきたします。 当施設では内視鏡あるいはEUSを用いて、より負担の少ない内視鏡的胆道ドレナージを様々な方法を用いて行っています。
極細径の内視鏡(経口胆道・膵管鏡)を胆管や膵管内に直接挿入して内部を観察し、病変部の組織採取を行うことができます。
CTやMRIなどの検査で診断困難な胆管・膵臓の病変の診断が可能です。
胆管にある結石を外科手術でなく内視鏡的に治療します。 治療が難しいと言われる巨大な結石や胆管にはまり込んでいる結石、胃の術後症例でも、経口胆道鏡やバルーン内視鏡、EUSなど最新鋭の機器を用いて非手術的に治療します。
内臓の痛みの中継地点である腹腔神経叢をEUSで同定し、針を穿刺してアルコールを注入することによって痛みをブロックすることができます。